【妄想コラム】もしもアイルトン・セナが老舗企業の社長だったら~信念が人を動かす経営~

江崎充豊

江崎充豊

テーマ:経営


 こんにちは、マネジスタ湘南社労士事務所です。
これまで何回か投稿している【妄想】「もしも」シリーズで、好きなスポーツ選手であるアイルトン・セナを取り上げたいと思います。

アイルトン・セナとは

 「音速の貴公子」アイルトン・セナ・ダ・シルバは、通算41勝、3度のワールドチャンピオンに輝いたF1を代表するドライバーの一人です。
 アグレッシブなドライビングスタイルは時には批判を受けましたが、予選やウェットレースに強く、時に「神がかり」と称されました。だが彼の本質は、単なる速さではありません。彼の信念を軸にした生き方そのものだったと思います。

印象的な3つのレース

1988年モナコGP
 圧倒的な速さでレースを支配するも途中でクラッシュ。
「自分がマシンと一体になりすぎていた」と語った。
1991年ブラジルGP
 ギアトラブルで6速のみで走行しながら母国で悲願の初優勝。
フィニッシュ後は疲労困憊で涙を流し、トロフィーを持ち上げられなかった。
1994年サンマリノGP
 予選でクラッシュが相次いだ中、決勝でタンブレロコーナーをはみ出しクラッシュ死。
セナの死はF1の安全改革を促し、彼の存在がいかに大きかったかを世界に刻んだ。

チャレンジし続けたセナの姿勢は、経営者にも通じるものがあります。

序章:老舗企業の「雨のレース」 ~アウェーの中で戦ったセナと

 F1はヨーロッパ中心の競技。
様々な壁(言語、文化、政治等)の中、ブラジル出身のセナは常に「アウェー」の中で戦っていました。だが彼は、信念と結果でそれらを乗り越えました。
 日本の老舗企業もまた、グローバル競争・技術革新・人口減少という困難な状況、レースでいえば「雨のレース」の渦中にいると思います。
 挑戦のアクセルを踏めなくなりつつある今、セナのように「雨の中でも攻める」姿勢が求められるのではないでしょうか。

第1章:信念に基づく意思決定

 セナは、「ベストを尽くす」「限界を超える」ことも重要視していました。
もしもセナが社長だったら利益だけでなく「意味ある挑戦」をし続けたと思います。
・「この製品は社会にとって意味があるか?」
・「この判断は、10年後の技術者に胸を張れるか?」
きっとこのような問いを投げかけられるのではないでしょうか。

第2章:挑戦と価値を軸にした人材育成

 セナは、孤高の天才でありながら思いやりと優しさを持ち合わせていました。
クラッシュした後輩ドライバーに家族よりも先に病院へ駆けつけ、若手に技術を伝えました。
「人としてどうあるべきか」を重んじていた姿勢は、企業の人材育成にも通じます。
 セナ的人事制度を考えてみました。

領域セナ的視点評価、対象軸
技術と価値の継承価値観の共有技術だけでなく企業の価値や存在意義を判断軸に
評価制度限界への挑戦失敗を恐れず挑んだ姿勢を評価対象に
人材育成競争力の強化惜しみなく教え、個人の「暗黙知」を組織の「形式知化」へ

第3章:感謝が循環する組織へ

 セナは慈善活動に積極的で、恵まれない子供たちに多額の寄付をしていました。
また、仲間や周囲への感謝を惜しみませんでした。
 セナが社長だったら下記のような行動をし、社員や地域に「人を大切にする文化」を根づかせる企業を目指したと思います。

  • 感謝の可視化: 「ありがとう」を言葉にする習慣
  • 思いやりの制度化: 他者の努力に気づき、称える仕組み

まとめ:攻める気持ちと感謝の気持ち

 セナの言葉を紹介します。
「2位になることは敗者の中で1位、つまり敗者」
「最も重要なのは勝つこと」

勝つことに拘ったセナは周囲から批判を受ける事も度々ありました。

 ただそれは、自分の夢・信念に向かって行動してきた事への裏返しでもあります。
セナの遺した下記の言葉がそれを物語っています。
「この世に生を受けたことが最大のチャンス」
「自分に誠実に、夢にむかって精一杯生きる」
「自分が出来ると心から信じることができれば必ずやれる」

 
 老舗に限らず、多くの企業は厳しい環境にいます。だが、守るだけでは乗り切れる事が難しく、セナのように攻める事も必要になる局面があると思います。
そして、そのような局面に必要となるのが会社の人材であり周囲の協力と理解となります。
 
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江崎充豊
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江崎充豊(社会保険労務士)

マネジスタ湘南社労士事務所

現役銀行員としての財務分析力、社労士としての労務知識を融合させ企業を支援。資金調達や事業計画、人事労務体制整備からデジタルツール導入まで、経営者が本業に集中できる環境作りをアシストする。

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