【妄想コラム】もしもイチローがCEOだったら ~「打率」より「打席数」を重視する経営者の1日~

江崎充豊

江崎充豊

テーマ:経営


 こんにちは、マネジスタ湘南社労士事務所です。
イチローさんが日本人で初めて米野球殿堂入りを果たしました。本当にすごいですね。

「小さなことを積み重ねるのが、とんでもないところへ行く唯一の道です。」
イチローさんの言葉です。
そんなイチローさんがもしも企業のCEOだったら-------
人事・財務戦略の観点から「イチローCEO」の1日を振り返ってみたいと思います。

イチローさんの言葉の一部引用していますが、内容はあくまで私の妄想なので悪しからず。

5:00 AM ~「素振り」から始まる経営

 イチローCEOの朝は早い。
誰もいないオフィスで、経営計画書を読み込みながら静かに「素振り」──つまり、事業戦略のシミュレーションを始める。
 野球選手時代、毎日欠かさず行っていたルーティンは経営にも通じる。
「昨日の自分を超えることが、唯一の競争相手です」
という哲学のもと、前日の意思決定を振り返り、次の一手を構想する。

8:30 AM 朝礼 ~「挑戦」を評価するメッセージ

「ヒットを打つことより、打席に立ち続けることが大事なんです。」
 イチローCEOの朝礼は、成果主義を超えたメッセージで始まる。
社員に求めるのは、成功よりも挑戦。失敗を恐れず、何度でも打席に立つ姿勢。
この考え方は、評価制度にも反映されている。
従来の「成果重視」から、「挑戦」を加味した制度へ~
社員の挑戦回数、改善提案、自己研鑽などを定量・定性で評価する仕組みが導入されている。

11:00 AM 経営会議 ~「納得感」のある意思決定

「数字は、積み重ねの証明です。でも、数字だけでは語れません。」
 イチローCEOは、売上や利益の報告を受けながらも、数字の「背景」にこだわる。
業績もさることながら、制度設計においても納得感を重要視。
評価制度、報酬体系、キャリアパスなど、「本人が腹落ちしているか」が判断基準となる。

12:30 PM ランチ ~型破りな「育成論」を語る

「型にはめる育成は、型破りな才能を殺します。」
イチローCEOは、若手社員とのランチを好む。
育成論を語るその姿は、かつての「孤高の職人」とは違い、組織の未来を見据えるリーダー。
育成制度は、画一的な研修から、個別最適型へと進化。
社員一人ひとりの成長曲線を可視化し、本人の志向と組織の方向性をすり合わせる設計が進められている。

17:00 PM 制度設計と財務戦略 ~イチロー的経営の実践

 イチローCEOが目指すのは、「打率の高い社員」ではなく、「打席に立ち続ける社員」。
そのために必要なのは、挑戦を讃える制度設計と、それを支える財務戦略。

イチローCEOによる人事、財務戦略 イチロー的制度設計

1.イチローCEOの人事制度

  • 挑戦係数を加味した評価制度:成果よりも挑戦のプロセスを評価
  • 個別最適型育成制度:画一的研修から、成長曲線に応じた支援へ
  • 納得感重視の報酬体系:金額よりも意味を重視した設計
  • 自己分析と振り返りを促す仕組み:「昨日の自分」を超える文化の醸成


2.それを支える財務戦略

  • 挑戦投資枠の創設:失敗を恐れず挑戦できる予算配分
  • 教育研修費の再構成:画一的研修→個別支援型へのシフト
  • 納得感KPIの導入:社員満足度と業務効率の相関分析
  • 短期利益より継続可能性重視:「積み重ね」を支える財務設計

 これらの制は単なる数字ではく、イチローCEOの哲学を組織に実装するための「メッセージ」なのだ。

あとがき ~哲学を制度に落とし込む経営

 イチローさんの言葉や行動には、一貫した哲学があります。
それは「成果よりもプロセス」「打率よりも打席数」「昨日の自分を超えること」。
企業経営に似ている所があると思います。
 中小企業の経営者にとって、日々の意思決定は現場感覚に根ざしたものが多いと思います。
しかし、その「感覚」や「信念」が制度に落とし込まれていなければ、組織全体に浸透することは難しくなります。

経営者の哲学を、制度に実装する

 それが、組織の文化を作り、社員の納得感を生み、持続可能な成長につながるのではないでしょうか。こうした制度や戦略は単なる仕組みではなく、経営者の意思や信念を組織に浸透させる「メッセージ」となり得ると思います。

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江崎充豊
専門家

江崎充豊(社会保険労務士)

マネジスタ湘南社労士事務所

現役銀行員としての財務分析力、社労士としての労務知識を融合させ企業を支援。資金調達や事業計画、人事労務体制整備からデジタルツール導入まで、経営者が本業に集中できる環境作りをアシストする。

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