「勘と経験の経営」に「データドリブン経営」を

江崎充豊

江崎充豊

テーマ:財務


 こんにちは、マネジスタ湘南社労士事務所です。
今回は財務に関するコラムとして、データドリブン経営を取り上げたいと思います。

「勘と経験」に、もうひとつの視点を

 中小企業の経営は、創業者や経営者の「勘」と「経験」によって築かれてきました。
現場の空気を読み、顧客の変化を肌で感じ、従業員の声に耳を傾ける―こうした判断は、企業の成長を支える大切な力でした。
 ただ、事業が拡大すると「勘と経験」だけでは見えづらくなる領域も出てきます。特に財務のように数値や仕組みによる裏付けが求められる場面では、感覚だけでは判断が難しくなることもあります。
「勘と経験」は、経営の土台です。そこに「データや数値による検証」や「仕組みとしての運用」を加えることで、企業はより安定的に、持続的に成長していくことができます。

中小企業が陥りがちな財務の盲点

 中小企業が見落としがちな財務の盲点は、以下のようなものがあります。
1.利益とキャッシュの混同
 黒字なのに資金が足りない、という現象は典型的な落とし穴です。
2.固定費の把握不足
 売上が減少しても、固定費は必ず発生します。
3.資金繰りへの意識
 月末の支払いに追われ、見通しが立たない状態が常態化している企業も少なくありません。

 これらの盲点は、経営者が「数字を見ない」「見方がわからない」ことに起因するケースが多く、放置すれば企業の体力を徐々に失うことになりかねません。

「勘と経験の経営」に「データドリブン経営」を融合

 データドリブン経営とは、データに基づいて意思決定を行う経営です。
客観的な判断の指標となる一方、勘や経験に基づいた判断は反映されません。
そこで、中小企業に重要なのは、「勘と経験」と「データと数値」を融合させる、いわば「ハイブリッド経営」です。
直感は現場の肌感覚
 顧客の反応、従業員の動き、業界の空気感など、数字には表れない情報を捉える力。
数値は客観的な評価
 売上、利益、キャッシュフロー、原価率など、経営の現在地と進路を示す指標。

 両者を組み合わせることで、経営判断に深みと確実性が生まれます。たとえば、「この商品は売れそうだ」という直感に対して、「原価率はどうか」「CCCはどうなるか」などと数値で裏付けを取ることで、意思決定の精度が格段に上がります。

まとめ:財務の見える化から始めよう

 まずは「財務の見える化」から始めましょう。具体的には

  • 月次試算表を定期的に確認する習慣をつける
  • 利益とキャッシュの違いを理解し、資金繰りの予測を立てる
  • 資金繰り表を作成し、資金の流れを把握する

 「見える化」は、経営者の直感を補完し、社員との共有を可能にします。データや数値を味方につけることで、企業はより持続的で安定した成長を目指すことができるのです。

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江崎充豊
専門家

江崎充豊(社会保険労務士)

マネジスタ湘南社労士事務所

現役銀行員としての財務分析力、社労士としての労務知識を融合させ企業を支援。資金調達や事業計画、人事労務体制整備からデジタルツール導入まで、経営者が本業に集中できる環境作りをアシストする。

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