財務から見る働き方改革 ~固定費構造の転換と人的資本の活性化~

こんにちは、マネジスタ湘南社労士事務所です。
今回の妄想コラムは、尊敬する人物の一人で「乃木坂」「乃木神社」の由来となった乃木希典さんを取り上げたいと思います。
乃木希典とは
乃木希典は明治時代の陸軍軍人であり、日露戦争の旅順攻囲戦を指揮した人物です。
武士道精神に根ざしたその行動は、忠誠・自己犠牲・厳格な規律に支えられており、明治天皇からの深い信任も得ていました。晩年は学習院長として若者の人格形成に尽力するなど、教育者としても高い評価を受けました。
その生き様からは、現代のCHRO(Chief Human Resources Officer、最高人事責任者)に通じる「人を育て、守る」姿勢が浮かび上がります。
逸話や名言から読み解くCHRO・リーダーとしての乃木希典
乃木希典の逸話や言葉を、CHRO・リーダーの観点から考察します。
1.「人に教ゆるに、行を以てし、言を以てせず」
教育とは、言葉ではなく行動で示すものだという信念。この姿勢はまさに「背中で語る」リーダー像と言えるでしょう。
2.学習院長としての教育者の実践
生徒と寝食を共にし、「うちのおやじ」と慕われる距離の近い教育を実践。堅苦しさだけでなく、親しみやすさと関係構築力にも秀でた人物でした。
3.旅順攻略後の責任感と誠意
多くの犠牲者を出した指揮に対し、切腹の覚悟を明治天皇に示し、その後戦死者の遺族や傷病兵を訪問して慰霊と支援を続けた姿勢は、人を大切にすることを体現しています。
4.敵将ステッセルへの配慮
降伏時の写真撮影では「敗者の尊厳」を守るためにステッセルと同列で写るよう配慮。後にロシアに減刑を嘆願し、家族に生活費を送り続けた行動は、異文化理解や多様な人材の尊重を表していると思います。
「己を律し、他者を尊重し、信を貫く」
乃木CHROの人事哲学は、現在の企業経営や人事運営にも当てはまると思います。
乃木希典から見たCHROに求められる資質
CHROに求められる資質を乃木希典の行動に当てはめると以下のようになると思います。
| 資質 | CHROに求められる対応 | 乃木希典の場合 |
|---|---|---|
| 規律性 | コンプライアンスと組織文化の醸成 | 武士道精神に基づく秩序と行動規範の体現 |
| 人材育成力 | 教育制度・研修設計 | 学習院での人格教育と実践的指導 |
| 包容性 | 多様性・公平性・包括性の推進(DEI) | 勝者も敗者も尊重し、個を活かす姿勢 |
| エンゲージメント | 心理的安全性と働きがいの提供 | 責任と誠意で築く信頼関係 |
HRを最大化させるために必要なこと
HR(Human Resourceas)は直訳すると「人的資源」。
従業員を単なる労働力ではなく、重要な資産と考えています。
従業員の能力を引き出せるようにするには以下のような環境作りが重要になります。
1.働きやすい環境
・心理的安全性のある職場
・公平な就業規則
・職務と期待が明確な制度設計
2.正当な評価体系
・能力・行動・人格を多面的に評価
・理念と連動したコンピテンシー設計
・育成型のフィードバックの浸透
これらを整えることで、乃木CHROが目指した「人が育つ場」が可能になると思います。
まとめ:乃木希典CHROに学ぶ、人が育つ組織づくり
乃木希典は、明治の軍人として知られる一方、学習院院長として教育者の顔も持ち合わせ、人格形成に尽力した育成型のリーダーでした。率先垂範による指導や誠意ある行動で人を導いた姿勢は、現代の企業におけるCHROに必要な資質と驚くほど重なります。
「言葉ではなく行動で示す、勝者だけでなく敗者にも敬意を払う」
こうした考え方は部下との信頼関係を築き、人材が自律的に育つ土壌づくりに直結します。しかし、理念や誠意だけでは働く人の力を充分に活かすことはできません。
実際に人材が育ち活躍するためには、それを支える環境と制度が必要です。これらがなければ、どんなに優れた理念も現場には根づきません
乃木希典を通じて「人を活かす組織」作りを考えてみてはいかがでしょうか。
マネジスタ湘南社労士事務所では人事労務に関する相談を承ります。
お困りごとがございましたらお気軽にご相談ください。



