労働市場の変化と特徴 ~企業と労働者は何が求められるか~

こんにちは、マネジスタ湘南社労士事務所です。
今回は、若者の採用・育成の認定制度「ユースエール認定支援制度」についてお話します。
ユースエール認定支援制度とは
ユースエール認定支援制度とは、若者の採用・育成に積極的で雇用管理が優良な中小企業を「認定企業」として厚生労働省が認定する制度です。
対象は常時雇用300人以下の企業で、働きやすい職場環境の整備を通じて若手人材の定着・活躍を促すことを目的としています。
認定のメリット
認定企業には以下のようなメリットがあります。
・求人面での優遇
ハローワークでの重点的広報、若者向け面接会への参加
・企業イメージの向上
認定ロゴの使用による認知度とイメージの向上
・金融・行政支援
日本政策金融公庫の低利融資、公共調達での加点評価
・自治体の優遇措置
自治体によっては補助金などの優遇措置あり
特に地方の中小企業にとっては知名度・信頼・採用力を高めるよい機会といえます。
認定の要件
認定を受けるには、以下の要件などを満たしていることが求められます。
- 人材育成方針と教育訓練計画を策定していること
- 新卒3年以内の離職率が20%以下
- 年次有給休暇取得率70%以上または年間10日以上取得
- 育児休業の取得実績あり
- 雇用情報(離職率・研修制度等)の積極的な開示
これらの項目は「働きやすさ」を客観的に示す内容となっています。
認定取得の流れ
認定取得までの流れはおおむね以下の通りです:
- 認定要件の確認(まずは現状の雇用管理体制を見直す)
- 必要書類の準備(就業規則、雇用実績、計画書など)
- 労働局またはハローワークに申請
- 書類審査・実地確認・認定通知
認定を受けた後も、毎年度の確認や制度の維持に関する報告が必要になります。
こうした法的・制度的な準備には、就業規則の整備や育成制度の計画立案など、専門的な知識が求められます。
まとめ:地域中小企業の人材戦略としての活用
ユースエール認定支援制度は、「認定取得」が目的ではありません。
認定を機に職場環境や雇用管理を見直し、若者が安心して働ける職場づくりを進めることが本質的な意義です。
制度要件を満たすためには、就業規則や人材育成方針、教育訓練計画といった規程類の整備と運用が不可欠です。こうした取り組みを「制度取得のための作業」として終わらせるのではなく、企業の文化・制度として根づかせることで、人材定着に大きな効果をもたらします。
マネジスタ湘南社労士事務所では就業規則や雇用管理の見直しの相談を承ります。
お困りごとがございましたらお気軽にご相談ください。



