【第2部】働く気持ちを引き出す戦略とDXによる働きやすさの向上~令和7年版「労働経済の分析」より~

こんにちは、マネジスタ湘南社労士事務所です。
これまで読んだ本で好きなシリーズのひとつが、映画化にもなった「もしも」シリーズ。
コラム記事を考えていた時にふと思い出し、好きな戦国武将の一人である武田信玄から人的資本経営を考察してみました。
人的資本経営を実践した武田信玄
戦国時代、武田信玄は「甲斐の虎」として恐れられる一方、人を活かす采配に長けた名将でもありました。
彼の強さの源泉は軍略だけでなく、家臣の登用や組織づくり、領民への政策を通じて「人を見る目」と「仕組みづくり」の重要性を理解し実践していたからだと思います。
武田信玄の言葉に「人は城、人は石垣、人は堀」があります。
城や堀を築くことより、「人」こそが組織を守る最大の力。そうした信念のもと、信玄は多くの戦を指揮しました。
中でも有名なのが、第四次川中島の戦い。
宿敵・上杉謙信との戦いは、家臣団の結束と信頼によって大敗を免れることができました。
人が組織を支えた戦い ~川中島の戦い~
- 軍師・山本勘助らは、「啄木鳥戦法」を立案するも失敗。しかし信玄は責めることなく、知略を高く評価し続けました。
- 馬場信房ら家臣は別働隊で出遅れながら挟撃に成功。形成逆転を果たました。
これらの逸話から見えてくるのは、個の能力だけでなく、それを活かす「信頼関係」と「仕組み」が重要だったと思います。
信玄流 人材登用と人的資本経営
家臣の一人に高坂昌信(春日虎綱)がいます。
百姓の出自ですが、信玄はその才覚を認めて重臣に抜擢。織田信長・徳川家康らの連合軍と戦う「三方ケ原の戦い」では殿(しんがり)を務めました。
もしも武田信玄が社長だったら、人材登用や人的資本経営において次のような方針を採ったかもしれません。
・身分や経歴に縛られない実力主義
・現場で成果を出せる仕組みづくり
・組織内の信頼と安定を重視する規則の設計
人を活かすには「見抜く力」だけでなく、それを支える制度も不可欠です。
武田信玄は領内統治において「甲州法度之次第」を定め、民政を制度化し規律と安定をもたらしました。これは現代の会社に置き換えると就業規則にあたるとも言えます。
また、「人が大事」という言葉だけでなく、人材を尊重し評価することで強い組織作りに繋がったと思います。これは現代の会社では人事評価制度にあたるとも言えます。
企業に必要なこと:制度で人を支える
・ 就業規則の整備
信玄が「甲州法度之次第」を制定したように、企業にも明確なルールが必要です。
・公正で透明な人事評価制度
高坂昌信のような逸材を埋もれさせず、実力で登用するには評価基準の構築が欠かせません。
・ 対話や労務管理の環境作り
日々の業務の中で社員の声に耳を傾ける姿勢が、信頼の土台となります。
まとめ
人を活かす力は「人を見る眼」と「制度で支える仕組み」が揃って初めて発揮出来ます。
そして人材が力を発揮できる環境づくりには、土台となる制度と信頼関係が必要です。
「人は城、人は石垣、人は堀」
武田信玄の言葉が示すように、企業の未来は「人をどう活かすか」にかかっています。
そのための制度や環境作りを考えてみてはいかがでしょうか。
マネジスタ湘南社労士事務所は各種規程や評価制度についての相談を承っています。
お困りごとがございましたらお気軽にご相談ください。



