【第1部】人手不足の現状と課題~令和7年版「労働経済の分析」より~

こんにちは、マネジスタ湘南社労士事務所です。
今回は趣味のサーフィンをビジネスの観点からお話したいと思います。
サーフィン業界の動向
国際サーフィン協会(ISA)によると、世界のサーフィン人口は2022年の3,000万人から2023年に3,500万人に増加。オリンピックの競技採用、サーフツーリズムの増加、ライフスタイルやフィットネスとしてのサーフィン人気の高まりから今後もサーフィン人口は増えると予想されています。
競技人口増加に加え、軽量で耐久性の高いサーフボード開発やサーフィン用品へのAIセンサ搭載やVR統合などの技術の進歩により、新たな市場拡大の機会も生まれると予測されており、世界のサーフィン市場は2023年は約44億米ドルから 2032年には約65億米ドルに拡大すると推定されています。
主なサーフィンメーカーと近年の動きを見てみましょう。
主なサーフィンメーカー
Boardriders, Inc.(Quiksilver, ROXY,Billabongなど)
・世界的なサーフブランドを複数展開、アパレル・アクセサリー市場で強い影響力を持つ
・近年はブランド統合によるコスト削減と市場拡大を図っている
Rip Curl
・ウェットスーツメーカーとして創業、サーフィン用品製造・販売を行うオーストラリア企業
・2020年にKathmandu Holdingsに買収され、アウトドア市場全体と統合される形に
Firewire Surfboards
・最新素材のサーフボードメーカー、先進的で耐久性の高い素材を使用した製品が特徴
・高価格帯の製品が多く、プレミアム市場に特化
サーフィン用品の価格や製品の動向
原材料価格上昇や高品質化により価格は上昇傾向にあります。需要拡大と合わせ、今後の財務に影響が出る可能性があります。
- 高性能サーフボードの価格上昇(2022年 695ドル → 2023年 750ドル)
- プレミアムウェットスーツの価格上昇(2022年 330ドル → 2023年 350ドル)
- 技術革新による新製品販売、市場拡大(AIトレーニングツール、VRサーフ体験など)
サーフィン業界の雇用に関する課題
雇用の課題もあります。例えば以下のような課題が挙げられます。
1.季節要因の影響
冬季の雇用が不安定になりがちで、オフシーズンの対策が課題
2.若年層の減少
日本では若者のサーフィン人口が減少しており、業界の持続性に影響
3.労働環境の不安定さ
サーフショップ・スクールの雇用形態が短期契約が多く、雇用の安定が求められる
4.技術革新と役割の変化
AI・VR導入によりインストラクターの役割が変化。適応できる新たな人材育成が鍵
雇用環境の改善策
これらの課題に対応するため、以下のような戦略が考えられます。
1.通年型の雇用モデルの導入
オンラインレッスンや屋内型サーフ施設の活用
2.若年層向けキャリア支援
サーフィン業界内の多様な職種を紹介し、雇用の選択肢を増やす
デジタル技術を活用した雇用創出
AIを活用したトレーニングプログラム開発など、新たな職種の創出
まとめ
サーフィン業界は成長市場の一方、雇用の安定化に向けた取り組みが必要です。
今後、デジタル技術や季節要因を勘案したビジネスモデルの構築により、強固なビジネス基盤を築くことが期待されます。
今回はサーフィン業界を挙げましたが、業界毎の特性や課題により財務・雇用戦略も変わってきます。自社の業界動向を踏まえて、財務・雇用戦略を考えてみてはいかがでしょうか。
マネジスタ湘南社労士事務所は、財務・雇用に関する相談を承ります。
お困りごとがございましたらお気軽にご相談ください。



