年収130万円の壁 ~働きやすい環境作りと助成金の活用

こんにちは、マネジスタ湘南社労士事務所です。
今回は2025年問題を年金制度に当てはめてお話したいと思います。
2025年問題と社会保険の負担増加
2025年、日本は団塊の世代が75歳以上の後期高齢者となり、医療・介護・年金などの社会保障負担が増加します。特に年金制度においては、現役世代の負担増加と給付水準の維持が大きな課題となっています。
このような状況を受け、年金制度改正法が6月13日に国会で成立しました。
この改正は、社会経済の変化に対応し年金制度の機能強化を図ることを目的としています。働き方やライフスタイルの多様化を踏まえた制度構築にするとともに、所得再分配の強化や私的年金制度の拡充を通じて高齢期の生活の安定を目指しています。
年金制度改正法の主なポイント
今回の改正点は、主に以下の5つです。
1.社会保険の適用拡大
・短時間労働者の適用要件のうち、賃金要件を撤廃
・常時5人以上使用の個人事業所非適用業種を解消
・保険料負担割合の変更が可能、労士折半を超えて事業主負担の保険料を制度的に支援
2.在職老齢年金制度の見直し
・収入がある厚生年金受給権者について支給停止となる収入基準額を50万円→62万円に引き上げ
3.遺族年金の見直し
・遺族厚生年金の男女差を解消
・子に支給する遺族基礎年金について、支給停止にかかる規定を見直し
4.厚生年金の標準報酬月額の上限引き上げ
・将来の給付を充実する観点から、上限額を65万円から75万円に段階的に引き上げ
5.将来の基礎年金の給付水準の底上げ
・基礎年金の給付水準低下が見込まれる場合、給付と負担の均衡がとれた制度確立を検討
その他にも私的年金制度の見直しとして、iDeCoの加入可能年齢上限を70歳未満に引き上げられます。
年金財源の現状と今後の課題
現在、日本の年金財源は積立方式と賦課方式の組み合わせで運営されています。しかし、少子高齢化の進行により現役世代の負担が増加し、年金積立金を取り崩しているのが現状です。
特に、厚生年金の積立金258兆円の一部が基礎年金の財源に流用されるという改革案が議論されており、会社員の間で不安の声が高まっています。
今後の財源確保策としては、以下のような選択肢が検討されています。
- 保険料率の引き上げ:現役世代の負担が増加
- 年金支給開始年齢の引き上げ:受給開始が遅れる
- 税財源の活用:消費税などを年金財源充当により増税が議論となる可能性
まとめ
2025年問題は、単なる高齢化の問題ではなく、社会保険制度全体の持続可能性を問う課題です。今後の年金制度改革では、財源の確保と給付水準のバランスが重要になります。
企業や個人ができる対策として、以下のポイントを意識するとよいでしょう。
- 社会保険の適用拡大を活用し、将来の年金額を増やす
- 私的年金制度(iDeCo・企業型DC)を活用し、老後資金を補完
- 年金改革の動向を注視し、早めの資産形成を検討
老後に備えるため、今から少しずつ準備をしてはいかがでしょうか。
マネジスタ湘南社労士事務所は年金に関する相談を承っています。
お困りごとがございましたらお気軽にご相談ください。



