もしも豊臣秀吉があなたの会社のCFOだったら~第2部「投資と失敗の教訓」~

こんばんは、湘南マネジメントサポート社労士事務所(湘南マネサポ)です。
今日は財務分析(ROIC)についてお話したいと思います。
財務分析といっても色んな視点があり、その数だけ財務指標があります。
財務指標は大きく、
収益性分析:ROA(総資産利益率)、ROE(自己資本利益率)、売上高営業利益率など
安全性分析:流動比率、自己資本比率、負債比率など
生産性分析:労働生産性、一人当たり売上高など
成長性分析:売上高成長率、総資本成長率など
の4つに分けられるかと思います。
事業活動を行う上では特に「安全性」と「収益性」のバランスが重要ですが、近年はROIC(投下資本利益率)が注目されています。ROICは、「企業が投じた資本に対してどれだけの利益を生み出せたか」を示す指標であり、経営の意思決定において欠かせない要素です。本コラムでは、ROICについて解説します。
ROICとは?
ROIC(Return on Invested Capital)は、企業が投じた資本に対してどれだけの利益を生み出せたかを示す指標です。計算式は以下の通りです。
ROIC =税引後営業利益÷投下資本(有利子負債+株主資本)
ROICが重要視される理由は、「これまでの蓄積(自己資本)と債権者(銀行など)から調達したお金に対して、どれだけ効率的に利益を上げる事ができるか」という企業の資本効率を測る指標だからです。ROEは自己資本のみを対象とするのに対し、ROICは負債も含めた投下資本全体の収益性を評価します。そのため、より包括的な経営指標となります。
財務目標を現場の活動に落とし込む「ROICツリー」
近年では、ROICを単なる経営指標として掲げるだけでなく、事業ポートフォリオやコスト構造の見直しなど経営改革を進める上で「ROIC経営」を掲げる企業も増えてきています。また、企業の中にはROICを構成要素に分解して現場の活動や目標、KPIにつなげるために「ROICツリー」を作成し、現場で活用している企業もあります。
参考までにROICツリーを見てみましょう。
ROIC改善のための対応策
ROICを向上させるためには、以下のような施策が有効です。
営業利益の向上:売上高を増やし、コスト削減を進める
資本効率の改善:不要な資産を整理し、投下資本を最適化する
負債管理の強化:過剰な借入を抑え、財務の健全性を維持する
事業ポートフォリオの見直し:収益性の低い事業を整理し、成長分野に資本を集中させる
ROICを改善することで、企業は資本を効率的に活用し、持続可能な成長を実現できます。
まとめ
自社の財務分析をする事は現状を把握するためにとても重要です。
財務分析を活用することで、企業の経営状態を客観的に把握し、成長戦略を立てることができます。収益性・安全性・生産性のバランスを考えながら、持続可能な経営を目指しましょう。
弊所では財務分析や財務に関するアドバイスを承っています。
お困りごとがございましたらお気軽にご相談ください。



