もしも豊臣秀吉があなたの会社のCFOだったら ~ 第1部「資産の見える化とリスク管理」~
こんにちは。湘南マネジメントサポート社労士事務所(湘南マネサポ)です。
今日は企業型年金制度の一つである「iDeCo+(イデコプラス)」についてお話します。
老後生活の基礎を支える年金ですが、年金改正や国会での主婦年金(国民年金第3号被保険者)の議論など、取り巻く環境が変わってきています。
また、老後の備えとして個人型企業年金の他に企業型年金も活用されており、2024年3月末には実施企業数は約52,000社、加入従業員数は約830万人と右肩上がりで増えています。
そんな中、最近注目されているのが「iDeCo+(イデコプラス)」です。この制度は、中小企業が従業員の福利厚生を充実させるための選択肢として導入する企業が増えています。
iDeCo+とは?
iDeCo+は、従業員が加入しているiDeCo(個人型確定拠出年金)の掛金に、企業が上乗せして掛金を拠出する制度です。これにより、従業員は自分の掛金と企業が拠出した掛金を合わせて運用でき、老後資金をより豊かにすることが可能になります。
iDeCo+の主な概要は以下です。
事業主要件:従業員300人以下で企業年金を実施していない事業主が対象
労使合意 :事業主掛金の拠出や掛金額変更には従業員の過半数代表者との合意が必要
拠出対象者:iDeCoに加入し事業主掛金の拠出に同意した従業員
掛金の設定:月額5,000円以上23,000円以下(1,000円単位)で設定可能
納付方法 :事業主が従業員の掛金をとりまとめて納付
税制優遇 :事業主掛金は全額損金算入、従業員掛金は全額所得控除
企業にとってのメリット・デメリット
導入企業にとってのメリット・デメリットは以下です。
メリット
1.導入のしやすさ
企業型年金に比べて手続きが簡単で中小企業でも導入しやすい
2.税制上の優遇
掛金の税制優遇により企業の負担を軽減できる
3.福利厚生の充実
従業員の老後資金を支援することで企業の評価向上につながる
4.低コスト
管理運営コストが低く経済的に導入しやすい
デメリット
1.導入条件あり
従業員数や企業年金の有無などの導入条件がある
2.労使間合意の必要性
労使合意に時間や手間がかかる場合がある上、規程を整備する必要がある
3.掛金設定の制約
掛金額の範囲や変更に関するルールがあり柔軟性が低い
まとめ
iDeCo+は従業員の老後資金を支援するために有効な制度であり、企業にとっても税制上のメリットや福利厚生の充実といった利点があります。
一方で、導入条件や労使合意の必要性など注意点もあります。企業としては従業員の未来を支える制度として、長期的な視点で検討する必要があります。
これを機に年金制度の導入や見直しを検討してみてはどうでしょうか。
弊所では年金に関する相談を承っています。
お困りごとがございましたらお気軽にご相談ください。



