中小企業のDX化を後押しする「DX人材育成ナビ」
こんにちは、湘南マネジメントサポート社労士事務所(湘南マネサポ)です。
新年度に入り、色々な計画を策定されている方もいらっしゃると思います。
今回は経営デザインシートについてお話をしたいと思います。
経営デザインシートとは何か?
近年、環境の変化が著しく、これまでの成功の方程式が通用しない状況が続いています。企業が成長を持続させるためには、「これまで(As is)」と「これから(To be)」を統合的に捉える視点が不可欠であり、その中で経営の未来を構想する強力なツールとして注目されているのが「経営デザインシート」です。
「経営デザインシート」は内閣府が提唱するフレームワークで、企業や事業の「存在意義」や「これまで(As is)」、さらには「これからの在りたい姿(To be)」を具体的にまとめることを目的としています。
このツールを通じて、企業は自らの価値やビジネスモデルを再確認し、将来の課題や戦略を明確にすることができます。
なぜ経営デザインシートが重要なのか?
21世紀に入ってから有形資産だけでなく、ブランド、顧客体験といった無形資産が企業価値の鍵を握るようになりました。これに伴い、単なる製品やサービスの提供だけでなく、顧客や社会に対してどのような価値を創造し続けるのかが問われています。
経営デザインシートは、これらの問いに応えるための思考の補助ツールであり、新たな挑戦のきっかけとなるツールでもあります。
経営デザインシートの利点
1.全体像の俯瞰
企業全体を1枚のシートに凝縮することで、経営者は「これまで」と「これから」を整理・共有することが可能です。
2.課題の洗い出し
シートの項目に基づき考えをまとめるうちに、隠れていた課題や改善点が浮き彫りになります。
3.ステークホルダーとの対話促進
従業員や取引先・金融機関とのコミュニケーションがスムーズになり、関係構築や改善に役立ちます。
4.事業継続の強化
「これまで」の歩みを振り返りつつ、「これから」の目標を明確にすることで、長期的な経営戦略の基盤が構築できます。
作成のポイント
作成時のポイントは、「これまで(As is)」の延長線上で未来を考えるのではなく、「これから(To be)」の目標を基軸に据え、逆算的なアプローチ(バックキャスティング)で戦略を練ることです。このプロセスは、特に成長志向の強い企業にとって、現状を打破し新たなチャンスを生み出すきっかけとなる可能性があります。
では、実際にどのようなシートか見てみましょう。これは経営デザインシートを「描きたくなる」デザインに改める「リデザインコンペティション」で奨励賞を受賞したシートです。
どうでしょうか。すっきりとまとめられていて「これなら作れるかも」と思われた方もいらっしゃると思います。
最初から完璧に作る必要も沢山文章を書く必要もありません。キーワードだけ、記入できるところだけ、極論「ゴール」「強み」「経営方針」だけでもいいと思います。ゴールを達成するために何をすべきか考えるうちに整理出来たり、やるべき事が明確になってくるかもしれません。
まとめ
経営デザインシートは、単なるチェックリストや記入シートではありません。それは、企業がビジョンを実現するための「道具」であり、「対話」の手段でもあります。
中小企業が限られたリソースを最大限に活かすための戦略的な指針として、経営デザインシートを活用してみてはどうでしょうか。
弊所では事業計画や財務戦略の立案・策定のサポートも承っています。
お困りごとがあればお気軽にご相談ください。



