住宅性能表示とは?劣化対策等級で見抜く、後悔しない家選びの基準

高橋徹夫

高橋徹夫


マイホームを検討し始めると、多くの方がまず立地や間取り、そして価格に目を向けます。私のところにご相談にいらっしゃる方も、最初は「駅から何分か」「予算に収まるか」というお話から始まることがほとんどです。ですが住まいは、人生に大きく関わる長い付き合いになるものです。だからこそ私は、目に見える条件だけでなく「その家が何十年先まで安心して住み続けられる家なのか」という視点も、あわせてお伝えするようにしています。

その判断の助けになるのが、住宅性能表示制度です。実はこの仕組みを知らないまま購入を進めてしまう方が少なくありません。今日はこの制度を軸に、後悔しない家選びのための「性能の見方」についてお伝えします。

住宅性能表示制度とは?

住宅性能表示制度とは、住宅の性能を国が定めた共通のものさしで評価し、等級として表示する仕組みのことです。省エネ性や耐震性、劣化のしにくさといった項目が、第三者機関による客観的な評価として示されます。

この制度のありがたいところは、売り手側の説明だけに頼らず、外部の目で確かめられた指標として参考にできる点です。住まいの性能は、見学に行っただけでは正直わかりにくいものです。日当たりや雰囲気は感じ取れても、壁の中の構造や湿気への対策までは、素人目には判断できません。そのため、等級という共通の指標が用意されている意味は大きいと私は考えています。

これまで数多くの物件をご案内してきましたが、たくさん物件を見れば見るほど、かえって迷ってしまう方は少なくありません。「あの家もよかった」「この家も捨てがたい」と、印象や雰囲気だけで比べていると、判断の軸が定まらなくなってしまうのです。そんなとき、等級という共通のものさしがあると、感覚に流されず冷静に比べられます。

マイホームの購入を検討している方には、間取りや価格を比べるのと同じ感覚で、こうした性能の等級にも目を向けていただきたいと思います。数字や等級というと難しく感じるかもしれませんが、要は「この家は何を大切にして造られているのか」を知るための手がかりです。私はご相談の際に、こうした指標の読み解き方もかみ砕いてお伝えするようにしています。

同じ木造でも劣化の進み方は違う

「木造住宅はどれも同じくらい傷むもの」と思っていらっしゃる方は、意外と多いのではないでしょうか。実はこれは大きな誤解です。同じ木造住宅でも、設計や施工の丁寧さ、そして水分対策の有無によって、劣化の進み方は大きく異なります。

木材は、腐朽菌やシロアリの被害を受けると強度が下がってしまいます。そしてその強度低下は、耐震性にも影響します。つまり「湿気への備え」は、単なる建物の傷みだけの問題ではなく、地震のときに家族を守れるかどうかにも関わってくるのです。

こうした点を客観的に見分ける手がかりになるのが、劣化対策等級です。劣化対策等級とは、住宅の構造がどれだけ長持ちしやすいように工夫されているかを、第三者機関が評価して等級で示したものを指します。等級が高いほど、長く住み続けやすい設計になっていると判断する目安になります。

見学に行くと、どうしても新しくてきれいな内装に目がいきます。ですが私がいつもお伝えしているのは、大切なのは「今のきれいさ」よりも「これからの傷みにくさ」だということです。同じように見える二軒の家でも、湿気への対策が造りの段階でしっかりされているかどうかで、十年後、二十年後の姿は変わってきます。表面からは見えないこの差こそ、性能表示という客観的な指標で補える部分なのです。

長寿命化のために国が勧める工夫

木造住宅を長く保つための考え方については、公的な後押しもあります。国土交通省や住宅関連団体は、木造住宅の長寿命化のために、雨水や地面からの湿気を抑える構法上の工夫や、劣化対策等級の活用を推奨しています。

私が住まい選びのご相談を受けるときにお伝えしているのも、まさにこの視点です。目の前の物件が「今きれいかどうか」だけでなく、「湿気や水にどう備えているか」を確かめること。そして、劣化対策や耐震性、維持管理のしやすさといった複数の基準を満たした住宅なのかを、購入前に確認しておくことです。一つの項目だけを見て判断するのではなく、複数の基準を合わせて見ることで、その家の全体像が見えてきます。

維持管理のしやすさも、見落とされがちな大切な要素です。配管や設備を後から点検・交換しやすい造りかどうかは、長い目で見れば家計にも直結します。私は住まいのご相談を、その後の人生設計や資産運用まで見据えて伴走したいと考えているので、こうした長期的な維持のしやすさも一緒に確認するようにしています。

購入前に確認すること

では、具体的に何を確認すればよいのでしょうか。難しく考える必要はありません。まず注目していただきたいのは、劣化対策等級などの性能表示があるかどうかです。等級の有無や内容は、その住宅がどれだけ長期的な視点で造られているかを知る手がかりになります。

私はこれまで、住まいの取得に不安を抱える方のご相談を数多くお受けしてきましたが、その経験から感じるのは、もう少し早く情報が届いていれば、と思う場面が少なくないということです。性能表示のような客観的な指標は、まさにその「早く知っておきたかった情報」の一つだと思います。

もう一つお伝えしたいのは、性能を確認することは、購入後の安心にもつながるということです。私は物件をお引き渡ししたら終わり、とは考えていません。その後の売却やお住み替え、住宅ローンの借り換え、保険の見直しといったご相談にも、長くお付き合いさせていただいています。長く安心して住める家を選んでおくことは、その先の人生設計や資産づくりの土台にもなります。だからこそ、入り口である「家選び」の段階で性能に目を向けていただきたいのです。

家は、一生に一度あるかどうかの大きな買い物ですから、見た目や価格の裏側にある性能まで含めて、納得のいく形で選んでいただきたい。その判断のお手伝いをするのが、私の役割だと考えています。分からないことは、遠慮なく専門家に聞いていただければと思います。

まとめ

住まい選びは、見た目や価格だけでなく、住宅性能表示という客観的な指標を味方につけることで、何十年先まで安心できる選択に変わっていくと私は考えています。

・マイホーム購入で、何を基準に選べばよいか迷っている方
・住宅性能表示や劣化対策等級の見方を知りたい方
・長く安心して住める家かどうか、専門家の視点で確認したい方


住まいとお金のご相談は、ワンフィニタス株式会社へ。まずはお気軽にご相談ください。(https://onefinitas-estate.jp

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高橋徹夫
専門家

高橋徹夫(不動産業)

ワンフィニタス株式会社 -ONE FINITAS-

ヒアリングを通じて顧客の意図を整理し、要望に合う不動産を厳選して提案。初回相談で方向性が定まるケースも多く、その後も人生設計や資産運用を見据え、住まいとお金の課題に継続的に向き合います。

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