金利上昇で変わる、住宅ローン借入可能額と返済負担を抑える考え方

高橋徹夫

高橋徹夫


「金利が上がってしまう前に、家を買うべきでしょうか?」

最近、私のところに来られるご相談の中でも、特にこのお声が増えています。住宅ローン金利の上昇と建築資材の高騰が同時に進む今、住まい探しをされている方々の不安は、これまでにないほど切実になってきました。

私自身、ヒアリングを大切にする不動産仲介を続けてきた中で、「家を買いたい気持ちはあるのに、思うような物件に手が届かない」という声を以前より多く耳にするようになりました。

しかしこれは単なる感覚の問題ではなく、金利上昇によって借入可能額そのものが目に見えて変化していることが大きな要因です。

本コラムでは、金利上昇が買主の方々にどんな変化もたらしているのか、そして毎月の返済負担を抑えるために今からできることは何か、について現場の感覚を交えながらお伝えしていきます。

住宅ローン金利が上昇している今、何が起きているか

実はこの半年ほどで、住宅ローン金利を取り巻く景色は大きく変わりました。日本銀行が2025年12月に政策金利を0.75%に引き上げたことを受けて、2026年4月以降、主要銀行が一斉に変動金利の基準金利を引き上げています。

メガバンクの変動金利の最優遇金利は、2026年4月時点で年1%台に乗り、これは約15年ぶりの水準です(出典:モゲチェック、2026年5月)。私が現場で感じるのは、「変動金利は上がらない」という長年の常識が、ここに来て静かに崩れ始めているということです。

固定金利の上昇はさらに顕著です。10年固定の最優遇金利は、三菱UFJ銀行で2.68%、三井住友銀行で2.65%、みずほ銀行で2.55%と、2026年1月適用分でそろって引き上げられました(出典:SBクリエイティブ、2026年1月発表)。長期金利の上昇を背景に、固定金利型住宅ローンも従来より高い水準で推移しています。

住宅金融支援機構によれば、政策金利は2026年12月末までに約1.0%まで上昇する予測も出ています(出典:ESPフォーキャスト調査、2025年8月実施・住宅金融支援機構掲載)。つまり、「金利のある世界」が現実のものになりつつあるということです。

金利が上がると借りられる額が縮む仕組み

「金利が上がるなら、変動を選んでおけば大丈夫」

以前はそう判断する方も多くいらっしゃいました。しかし最近のご相談で痛感するのは、金利上昇の本当の怖さは月々の返済額そのものよりも、借入可能額が縮んでしまうことにあるという点です。

私が大切にしているのは、ご相談の最初の段階で「いくらまでなら無理なく返せるか」を一緒に整理することです。なぜなら、金利が1%上がるだけで、月々の返済額はおよそ2万円前後増え、35年間の総返済額では700万円前後の差が生じるからです(出典:住宅金融支援機構の試算式に基づく、2026年1月)。

これを逆から見ると、毎月の返済可能額が同じであれば、金利が上がるほど組める借入額は小さくなる、ということです。例えば年収に対して無理のない返済額を据え置いたまま金利が上がれば、その分だけ買える物件価格の上限が下がります。

旭区内でも、相鉄本線「希望ケ丘」駅や「二俣川」駅周辺の人気エリアでは、4,000万円台の新築戸建てが中心価格帯です。ここで借入可能額が数百万円単位で縮むと、選べる物件の範囲が一気に限定されてしまいます。これは、私のお客さまの中にも、実際に直面している現実です。

建築資材の高騰が物件価格を押し上げている

もう一つ見落とされがちなのが、住まい選びの「もう片方の壁」となっている建築資材の高騰です。日建連の発表によれば、建設資材物価は2021年1月と比べて建築部門平均で37%上昇し、労務費の上昇も合わせると建設工事費全体で25%から29%の上昇に相当します(出典:日本建設業連合会、2026年1月発表)。

ウッドショック、アイアンショック、円安、人手不足、そして2025年4月からの省エネ基準適合義務化など、これらが複合的に絡み合い、新築物件の価格は一段と高い水準に押し上げられています。

私のところにご相談に来られる方の中には、「数年前の感覚で予算を組んだら、希望のエリアで物件が見つからなかった」という方も少なくありません。家づくりは材料だけで完成するものではなく、資材費に加えて、職人さんの労務費、物流費、そして省エネ基準対応のコストまでが価格に乗ってきている状況です。

つまり、買主の方は今、「金利上昇で借入額が縮む」一方で、「物件価格そのものが上がる」というダブルの圧力を受けているわけです。この状況下で慌てて判断するのは、私はおすすめしません。

毎月返済額を抑えるために今からできること

「毎月の返済額を、なんとか抑えられないだろうか?」。最近のご相談の中で本当によく聞くお声です。私が現場でお伝えしているのは、闇雲に物件を絞り込むのではなく、まず返済計画そのものを丁寧に組み立て直すことの大切さです。

具体的には、家計の状況を整理し、無理のない返済比率を確認するところから始めます。一般的に、年収倍率(借入額÷年収)は7倍以内、できれば5倍以内が一つの目安と言われています(出典:モゲチェック「住宅ローンに関する意識調査」、2026年3月実施)。この水準を守っていれば、金利が多少上がっても家計が破綻するリスクは抑えられます。

私が提案する金融機関選びでは、変動金利の最優遇水準だけでなく、団体信用生命保険の保障範囲、繰上返済の柔軟性、5年ルール・125%ルールの適用有無まで含めて比較します。「金利の低い金融機関はどこか」というご質問は本当に多いのですが、最優遇金利の0.1%の差よりも、ご家庭の将来の変化に耐えうる商品設計のほうが、長い目で見ると差を生むものです。

また、住宅ローン控除の活用や、生命保険の見直しによって生まれた余裕を返済原資に充てる、といった発想も有効です。私自身、不動産仲介に加えてFPとしての相談業務に従事してきた経験から、住まいとお金を一体で考える視点を大切にしています。

詳しい商品比較や、ご家庭の状況に応じたシミュレーションは、当社のホームページからもご確認いただけます。

これからの金利動向と、横浜市での住まい選び

今後、住宅ローン金利はどう動いていくのか。これは私自身も常に注視しているテーマですが、市場では2026年6月の日銀会合での追加利上げが織り込まれており、住宅ローン変動金利は2026年10月に多くの銀行が一斉に年0.25%程度引き上げる展開が現時点での最有力シナリオとされています(出典:モゲチェック、2026年4月発表)。

固定金利のベースとなる長期金利についても、2026年7月〜9月には1.90%程度まで上昇するという予測があります(出典:住宅金融支援機構、2025年7-9月期GDP1次速報を踏まえた見通し)。つまり、変動・固定どちらの金利についても、上昇圧力はしばらく続くと見ておくのが現実的です。

こうした中、横浜市で住まいを探されるお客さまには、「金利が低い金融機関はどこか」というポイントだけでなく、ご自身のライフプラン全体の中で住まいをどう位置づけるかという視点でご相談に応じています。旭区は相鉄線の利便性向上や二俣川駅周辺の再開発もあり、長く住み続ける価値のある地域です。だからこそ、目先の金利だけで判断せず、10年・20年単位で耐えうる返済計画を一緒に立てることが、私の仕事の中心になっています。

「もう少し早く相談していれば」と感じる場面が、行政での相談対応に関わってきた経験からも少なくありませんでした。情報は、早く届くほど選択肢を残せるものです。

住宅ローン金利の上昇期にこそ、目先の金利だけにとらわれず、家計全体を見渡した返済計画を立てることが、納得のいく住まい選びにつながると私は考えています。ワンフィニタス株式会社(ONE FINITAS)では、初回ご相談を承っております。

・金利上昇で借入可能額が下がり、希望の物件に手が届くか不安
・毎月の返済額をできるだけ抑えたいが、何から見直せばよいかわからない
・横浜市周辺で、長く住める住まいを、腰を据えて探したい


このようなことでお困りの方は、まずはお気軽にご相談ください。

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高橋徹夫
専門家

高橋徹夫(不動産業)

ワンフィニタス株式会社 -ONE FINITAS-

ヒアリングを通じて顧客の意図を整理し、要望に合う不動産を厳選して提案。初回相談で方向性が定まるケースも多く、その後も人生設計や資産運用を見据え、住まいとお金の課題に継続的に向き合います。

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