難聴と認知症の関係とは?・・ご自身の聞こえをしっかり把握していますか?
「着けても、着けなくても大して変わらないよ」
「余計な音ばかり気になって、肝心な会話が聞き取れないよ」
お試しで貸出しをされた方々から、たまに頂く感想です。
ここで補聴器の使用を諦めてしまう方が非常に多いのですが、実にもったいない事なのです。
想像してみて下さい。
あなたは足を大怪我して、数ヶ月入院しています。
手術をして、骨にプレートを固定しました。
さぁ、明日から元気に歩き回れるでしょうか?
ましてや走れるでしょうか?
お分かりの通り、答えは「NO」ですね。
恐らく、立ち上がるのも困難という状況ではないでしょうか。
退院までの間にしっかり「リハビリ」していかなければ、筋力が衰えてしまっているうえに、
運動の感覚も鈍っているので、まともに歩けなくて当然。
難聴のケアにもリハビリが大事
借りた補聴器で会議に出席したけど、大して効果がなかった。
その評価は、手術して数日後に階段が上手く上がれなかった、と言っている様なもの。
聞こえにもリハビリ期間が必要です。
加齢による難聴の場合、聴力低下は気付かない内に徐々に進行しますので
「脳」は現在のきこえに慣れていきます。
補聴器をつけて、今まで聞こえていなかった細かな音が聞こえるようになると、
”聞きなれない音”がすると感じ、どうしてもそこに意識が集中しがちになります。
しかしもともと世の中には様々な音が溢れていて、私たちはその中で生活しています。
余計な音が多少あっても、意識しないように「脳」が処理してくれています。
普段会話をしている時、壁掛け時計の針のカチコチという音は気になりません。
しかし1人で静かな部屋で寝ようとして、なかなか寝付けないときは途端に気になりだします。
全ては「脳」の処理、意識の問題なのです。
難聴が進行するにつれ、脳は「難聴者の脳」に変化していきます。
補聴器をつけ始めてしばらくは、この「難聴者の脳」をだんだんと聞こえる脳にリハビリしていく期間。
初めて補聴器を使う方には、それなりに軽い調整から始めています。
そのため、つけても大して変わらないと評価を頂くことも多いのです。
焦ることなく、時間をかけてリハビリしていく気持ちが大切です。