左右差の大きい聴力での補聴器装用は要注意!
先日ご相談に来られたお客様のケースをご紹介します。
記憶が確かではないが、1年以上前に右耳が聞こえづらくなった。
突発性難聴ではないかと思ったが、耳鼻科受診しないまま日数が過ぎてしまった。
突発性難聴はすぐに受診しなければ、回復は難しいと聞いていたのでそのまま諦めてしまった。
もしかしたら加齢によるものかもしれないとも考えたそうです。
しかし、聞こえづらい状況に不自由を感じて当店に相談に来られました。
測定してみると、突発性難聴でよく見られるような聴力とはちょっと違うなと・・・
右耳は上の図で赤で示されたラインになります。
〇で結ばれた線は気導聴力、ヘッドホンから検査音を聞いて反応があったところです。
確かに中等度難聴程度まで下がってきています。
その一方で、〔 のようなコの反対向きで示された赤い印は、右耳の「骨導聴力」です。
こちらは、ずっと上の方にあるのが分かりますね。
骨導ではしっかり聞こえているけれど、ヘッドホンからの音はよく聞こえない。
これは完全に伝音難聴と呼ばれるものです。
中耳、鼓膜~耳小骨などの部分で何らかの障がいが生じている可能性が考えられます。
そうなると、
補聴器を検討するより前にまずは耳鼻科を受診してください
という話になります。
どうせ治らないだろう・・などの自己判断は危険です。
急に聴力が低下した、などのケースはすぐ医師に診てもらってください。
治療で改善する可能性があります。
さらに・・・
当店のスタッフがある補聴器に関わる講習会に参加した時の話。
それは初級レベルの講習会でした。
聴力測定の実習時に、周囲の参加者がヒソヒソ話しているのが聞こえて来たそうです。
その衝撃の内容とは・・・?
「骨導測定ってしたことある?」
「え~、そんなの店長もやってるの見たことないけど!」
おお恐い!・・・恐すぎる話です!
いやしかし、私はメーカー営業マン時代に実際に骨導測定など一切しないで補聴器販売している店をたくさん見たことがある!
そもそも、骨導測定の機能がない機器しか置いてない販売店も!
耳鼻科受診せずに、最初からそのような店に行ったら・・・・
今回の例のお客様も、恐らくは補聴器を売りつけられていることでしょう。
そのような店で補聴器を買ってしまった人にとっては、知りたくなかった現実!
しかし世間に溢れている現実!
そんな事がまかり通っている日本国内の補聴器販売のレベルの低さ。
皆様もお気を付け下さい!