聴力測定は何種類のものを実施しましたか?
難聴が進行するにつれて、早口の会話についていく事は難しくなってきます。
健聴者の方々、若い方々が普通に話す会話のスピードにはついていく事が困難になってきます。
話している声は聞こえているけれども、内容が分からない。
人によって、聞こえやすい人と聞き取りづらい人がいる。
このような状況になってきます。
補聴器は音を増幅することは出来ますが、話すスピードを遅くはしてくれませんし、言葉と言葉、音と音の間の空白を広げてくれるわけではありません。
これは難聴者に限らず、普通に健聴者であっても早口で、しかも良く知らない言葉では起こり得ます。
上にある画像は1例ですが、
例えば、Lemonade という英単語があります。
1音づつ、日本語風に読んでいけば、「レモネード」となりますね。
私たちは、レモネードという言葉を知っていますので、少々早口で言われても「レモネード」という単語と脳内で関連付けができます。
しかし、レモネードを知らなかった昔の日本人はどうだったでしょうか?
欧米人が話す、Lemonade は上の図のように聞こえていたはずです。
母音はしっかり聞こえていますが、それに重なる子音や最後の音は上手く聞き取れず、何とか口真似してみた結果が、「ラムネ」となったのではないかと推察できますね。
今では、ラムネはレモネードに端を発する「清涼飲料水」もしくは粒のお菓子と認識されていますから、何のことか分かりますが、
そうでなければ、ラムネ=レモネード、という風には理解できないわけですね。
英語を国内で、かつ母国語が日本語の教師から学んだだけの人が、いきなり外国へ行ってネイティブのスピードについていけないのは理解できると思います。
これと同じような感覚で、聞こえているけれど分からない。
知っている単語なら何とか分かる、と言ったことになります。
健聴者の場合、毎日ネイティブの英語に接していれば、脳が英語の発音、リズム、周波数といったものに慣れていきます。
そうすると、今まで理解できなかったものが、「聞き取れる」ようになってきます。
しかし、難聴者(感音性難聴)の場合はそもそも正しい発音で聞こえてこないので、訓練でどうにかするには大きな苦労を伴います。
加齢による難聴の場合には、特に聞こえづらさと共に、様々な「テンポ」も遅くなってくるわけですから、なるべく「ゆっくり」、そして区切って話すと聞き取りやすくなります。
悪口だけは聞こえる、というのは、聞きづらい状況でストレスが積み重なり、何か悪口を言われているのではないか、という不安からネガティブな言葉に敏感になっていることも考えられます。
「聞こえ」を改善することは、心の安定にもつながるのではないでしょうか。