資金繰りが苦しいとき、まず「見えるようにする」という選択【連載:どこに相談しても「難しい」と言われた経営者のために/第2回】

平岡誠司

平岡誠司

テーマ:経営のモヤモヤをワクワクに(しごと編)

資金繰りの相談をすると、
「それは資金調達が必要ですね」
「もう少し早ければ、手はあったかもしれません」

そんな言葉をかけられることがあります。

確かに、
資金調達は大切な手段のひとつです。
ただ、私はいつも、
それだけで本質的な解決になるとは限らないと感じています。

お金が足りないのではなく、「分からなくなっている」

資金繰りが苦しくなったとき、
多くの経営者はこう感じています。

何に使っているのか分からない
どこで詰まっているのか説明できない
このまま、いつまで持つのか分からない

これは、
「お金が足りない」というより、
資金の流れが見えなくなっている状態です。

この状態で資金調達をしても、
時間を少し稼げることはありますが、
不安そのものが消えることは、あまりありません。

まずやるのは、「可視化」です

私が最初に行うのは、
売上を増やす方法を考えることでも、
コスト削減を指示することでもありません。

まず、
資金繰りが「どう苦しいのか」を整理します。

いつ
どこで
どの動きが
資金を圧迫しているのか。

これが見えてくると、

いつまでに
何を
どれくらい

変える必要があるのかが、
少しずつ言葉になります。

説明できるようになると、協力が得られる

資金繰りが苦しいときほど、
経営者は一人で抱え込んでしまいます。

でも実際には、

金融機関
取引先
社内の関係者

に、
きちんと説明できる状態になることで、
状況が動き出すケースも少なくありません。

感情ではなく、
事実と見通しで話せるようになる。

それだけで、
話を聞いてもらえる場面が増えることもあります。

「まだやれるかもしれない」と思える瞬間

不思議なことですが、
資金繰りが厳しい会社ほど、
数字を整理したときに、
経営者の表情が変わることがあります。

「思っていたほど、全部が悪いわけじゃない」
「ここを抑えられれば、少し持つかもしれない」

そうやって、
先の見通しが“ぼんやり”とでも見えてくると、
人は落ち着きを取り戻します。

その状態で初めて、
次の一手を考える余地が生まれます。

資金調達は、選択肢のひとつです

資金調達を否定しているわけではありません。
ただ、それは数ある選択肢の中のひとつです。

調達をするのか
調達をしないのか
何を我慢し、何を守るのか

これらを決めるのは、
あくまで経営者ご自身です。

私は、
その判断ができる状態を整える
お手伝いをしているだけです。

資金繰りが苦しいと、
「もう終わりかもしれない」
そんな言葉が頭をよぎることがあります。

でも、
見えなくなっているだけのことも、少なくありません。

今日は、ここまでにします
まず「見えるようにする」という選択がある、
というお話でした。


※このコラムは、月曜・木曜に掲載しています。
立ち止まって考える時間を大切にした連載です。

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平岡誠司
専門家

平岡誠司(小規模事業者向け経営支援家)

株式会社平岡商店

経営者の実践経験を活かし、経理の見える化・日繰り・在庫管理を軸に、家族経営の経営管理の仕組みづくりを実行支援します。現場の気づきを経営判断につなげ、“らしさ”をいかした経営を一緒に育てていきます。

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