在庫棚は現場の“声なき声”——後継者にしか聴こえないサインがある (継ぐ人のための 、数字と向き合う経営ノート:第4回)
「在庫管理って、なんだかモヤモヤする…」というあなたへ ーー未経験でも安心。やさしく学べる在庫管理の基本:第三回
「在庫表では“ある”ことになってるのに、棚にはない」
「棚にあるのに、システム上は“ゼロ”になってる」
「伝票では出荷済みなのに、商品がまだ残ってる」
そんな“ズレ”を感じたことはありませんか?
それこそが、在庫が「合っていない」状態です。
「理論在庫」と「実在庫」は、別物です
- 理論在庫:販売管理ソフトやExcel上の数字。記録された在庫数
- 実在庫:実際に棚にあるモノの数。現場で目に見える在庫
この2つが一致していないと、在庫管理は機能しません。
そして、ズレが起きる原因は、記録と現場の“流れ”がつながっていないことです。
ズレの原因は「流れのどこか」にある
在庫は“動くもの”です。
だからこそ、次のような場面でズレが起きます:
- 発注した数と、実際に入荷した数が違っていた
- 入荷はしたけど、記録されていなかった
- 出荷した数と、売上伝票の数が食い違っていた
- 誰かが使ったけど、記録していなかった
つまり、在庫数は“結果”でしかなく、
その前にある「入荷・出荷・記録」の流れを見なければ、原因は分かりません。
「とりあえず直す」は、もっとズレる
在庫がズレていたとき、つい「正しい数に直しておこう」と思ってしまいがちです。
でも、それは危険です。
上書きしてしまうと、原因が消えてしまい、
次に同じことが起きたとき、対策が打てなくなります。
在庫管理は「流れの記録」と「照合の習慣」
信頼される在庫管理は、次の3ステップで成り立っています:
1. 発見
2. 修正
3. 予防
この流れを、月1回でもいいので“習慣”にすることが、
品減りや不正を防ぐ「日常の守備力」になります。
やってみるなら…
- 入荷・出荷の履歴を残す「在庫表」を整える
- 月1回の棚卸で、理論と実在庫を照らし合わせてみる
- 差異が出たら、記録・伝票・現場を確認して原因を探る
- 上書きせず、履歴を残して修正する
着手は慎重に
ご紹介した手法はあくまでも参考事例です。
在庫管理は資金繰りや決算書への影響も大きく、実際には事業者ごとに受注・発注・入荷・出荷の流れや、販売ソフトの使い方は異なります。実際の在庫管理の方法を改善するためには、業務工程や、日常的に起きているミス、クレームなどの傾向を踏まえて、会社ごとの在庫管理の様子をふまえて計画する必要があります。
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「自分の会社の在庫管理のやり方はこれでいいんだろうか?」
「何かモヤモヤする」
「社内のコミュニケーションがうまくいかない」
まずは、あなたの会社の在庫管理のモヤモヤを聞かせてください。
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老舗酒卸を再建した経験をもとに、在庫と資金の“つながり”を整える支援をしています。
平岡誠司プロフィール
後継者、社員と共に課題発見。両親、税理士、銀行を巻き込んだ事例です。
食品製造業の家族経営を再生|在庫管理で利益改善した支援事例
現場の棚から経営の意思決定まで、あなたと一緒に“信頼の仕組み”をつくります。
ビジネスストレングスコーチング



