しんどい時こそ、一番小さな一歩を——止まらなければ、それでいい (継ぐ人のための、数字と向き合う経営ノート:第12回)
数字を見てもピンとこない
事業を引き継いだばかりの頃、私は数字に苦手意識がありました。帳簿を見ても、どこを見ればいいのか分からない。売上があるのに資金が足りない──そんな状況に直面して、ようやく数字の大切さに気づきました。
「後継者」から「経営者」として信頼を得るには、事業そのものを深く理解していることが不可欠です。そしてその理解は、数字を通じてこそ得られるものです。前社長は何十年も現場で積み上げてきた肌感覚があります。全身が経営のセンサーのようなもの。いくら親子といえども簡単に身に着けられるものではありません。数字を使って補うのです。
数字は「現場の声」を映す鏡
数字は、ただの記号ではなく、現場の動きや人の気持ちを映し出す鏡です。
- どこにお金がかかっているのか
- どこで利益が生まれているのか
- どこにリスクが潜んでいるのか
こうした視点を持つことで、数字は「怖いもの」から「頼れる味方」に変わっていきます。
コーチを介して、数字を“翻訳”する
数字に苦手意識がある方ほど、第三者の存在が大きな助けになります。平岡商店のコーチングでは、帳簿や資金繰り表を一緒に見ながら、数字が語る“現場の物語”を読み解いていきます。
- 数字の意味をかみ砕いて伝える
- 利害関係者との対話に使える言葉に変換する
- 経営判断の根拠として使えるようにサポートする
数字を理解することは、経営者としての言葉を持つことでもあります。社員に説明するとき、銀行と交渉するとき、家族に状況を伝えるとき──数字が語れると、信頼が生まれます。
次回は「決めるって、怖い──納得解を育てる判断力」についてお話しします。
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