後継者は数字で語る──事業を深く知る力【継ぐ人のための経営ノート③】

平岡誠司

平岡誠司

テーマ:経営のモヤモヤをワクワクに(しごと編)

数字を見てもピンとこない


事業を引き継いだばかりの頃、私は数字に苦手意識がありました。帳簿を見ても、どこを見ればいいのか分からない。売上があるのに資金が足りない──そんな状況に直面して、ようやく数字の大切さに気づきました。

「後継者」から「経営者」として信頼を得るには、事業そのものを深く理解していることが不可欠です。そしてその理解は、数字を通じてこそ得られるものです。前社長は何十年も現場で積み上げてきた肌感覚があります。全身が経営のセンサーのようなもの。いくら親子といえども簡単に身に着けられるものではありません。数字を使って補うのです。

数字は「現場の声」を映す鏡


数字は、ただの記号ではなく、現場の動きや人の気持ちを映し出す鏡です。

- どこにお金がかかっているのか
- どこで利益が生まれているのか
- どこにリスクが潜んでいるのか

こうした視点を持つことで、数字は「怖いもの」から「頼れる味方」に変わっていきます。

コーチを介して、数字を“翻訳”する


数字に苦手意識がある方ほど、第三者の存在が大きな助けになります。平岡商店のコーチングでは、帳簿や資金繰り表を一緒に見ながら、数字が語る“現場の物語”を読み解いていきます。

- 数字の意味をかみ砕いて伝える
- 利害関係者との対話に使える言葉に変換する
- 経営判断の根拠として使えるようにサポートする

数字を理解することは、経営者としての言葉を持つことでもあります。社員に説明するとき、銀行と交渉するとき、家族に状況を伝えるとき──数字が語れると、信頼が生まれます。

次回は「決めるって、怖い──納得解を育てる判断力」についてお話しします。

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平岡誠司
専門家

平岡誠司(小規模事業者向け経営支援家)

株式会社平岡商店

経営者の実践経験を活かし、経理の見える化・日繰り・在庫管理を軸に、家族経営の経営管理の仕組みづくりを実行支援します。現場の気づきを経営判断につなげ、“らしさ”をいかした経営を一緒に育てていきます。

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