数字が苦手だからこそ見えるものがある——現場と経営をつなぐ感性 (継ぐ人のための、数字と向き合う経営ノート:第11回)
夫婦間のほうが難しい
家族経営の事業承継というと、父から息子、母から娘──そんな親子間の引き継ぎが思い浮かびますが、実際には「母から妻へ」「父から夫へ」といった夫婦間の承継のほうが、ずっと難しい場面が多くあります。
家族としての関係と、経営者としての役割が重なり合う中で、感情と責任の境界が曖昧になりがちです。さらに、従業員や取引先、金融機関などの利害関係者との関係性は、経営者が変わったからといって自動的に引き継げるものではありません。
私も、社長になったばかりの頃は、前任者との関係性が強かった取引先や社員との距離感に悩みました。家族としての信頼はあっても、経営者としての信頼はゼロから築く必要がある──それを実感したのです。
信頼は、時間と行動で育つ
信頼は、言葉だけではなく、行動の積み重ねで育ちます。
約束を守る
小さな相談を重ねる
失敗しても責めずに振り返る
できたことを認め合う
こうした日々のやりとりが、少しずつ関係を深めていきます。とくに夫婦間の承継では、感情と役割を切り分ける意識が欠かせません。
第三者(コーチ)を介した関係性の再構築
面と向かっては言いにくいことも、第三者が入ることで伝えやすくなることがあります。平岡商店が提供する「ビジネス・ストレングス・コーチング」では、経験者が間に入り、関係性の調整をサポートします。
感情に左右されず、冷静に状況を整理できる
夫婦間・親子間のすれ違いを“翻訳”して伝えられる
利害関係者との信頼構築に向けた具体的な行動を提案できる
信頼は、育ち合う関係の中で築かれていくもの。そのプロセスに、経験者がそばにいることは大きな支えになります。
次回は「後継者は数字で語る──事業を深く知る力」についてお話しします。
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