TOTO バリアフリーラボ

講座やセミナーで、私がおすすめしている整理収納の一つが「お着換えセット」です。
お着換えセットとは、
・クローゼットなどに置いておく、普段着を数日分コーディネートしたセット
・浴室横の脱衣室に置いておく、パジャマ・下着・靴下・タオルなどのセット
という、とてもシンプルな工夫です。
「それだけ?」と思われるかもしれませんが、
この小さな工夫が、毎日の暮らしをラクにし、もしもの時の安心にもつながります。
洋服はたくさんあるのに、着る服はいつも同じ…
整理収納のご相談や講座でも、よく耳にするのが、
「洋服はたくさん持っているのに、実際に着ているのはいつも同じ数着。」
というお話です。
洗濯して乾いた服をまた着る。
タンスやクローゼットにはたくさん洋服があるのに、奥にしまったものは何年も着ていない。
そんなご家庭は決して少なくありません。
お着換えセットを作ったことで見えてきたこと
実際に取り入れられた方からは、こんなお話をいただいています。
「これまでは同じような服ばかり着ていましたが、お着換えセットを作るようになってから、今持っている洋服でコーディネートする楽しさが増えました。」
「買って数回しか着ていなかった服や、持っていることを忘れていた服にも気付きました。」
「自分に必要な服と、今はもう着ない服が自然と分かるようになり、無理なく手放すことができました。」
「同じような洋服を買うことも少なくなりました。」
整理収納というと、「不要なものを処分すること」が目的のように思われがちですが、本当に大切なのは、❝自分が何を持っているのかを把握し、今あるものを活かせるようにすること❞です。
その結果として、必要・不要が見えてくるのです。
「探さない・迷わない」は、毎日の安心につながります
高齢になると、
「探す」
「選ぶ」
「判断する」
という何気ない作業も、少しずつ負担になることがあります。
だからこそ、必要なものが必要な場所にあり、迷わず手に取れる環境を整えておくことが大切です。
お着換えセットを作っておくことで、
「今日は何を着よう。」
と毎日悩む時間も減り、朝の支度や早朝の通院準備もスムーズになります。
「探さない」「迷わない」ことは、心にも時間にもゆとりを生み出してくれます。
家族も困らない仕組みにもなります
実践されたご夫婦から、こんなお話を伺いました。
ご夫婦それぞれのお着換えセットを作っていたところ、奥様が急に入院することになりました。
普段は着るものに無頓着だったご主人も、自分の着替えに困ることはありませんでした。
さらに、奥様のパジャマや下着、タオルなども脱衣室にセットしてあったため、家中を探し回ることなく病院へ持って行くことができたそうです。
また、脱衣室に置いているお着換えセットは、そのまま入院時や旅行時の準備にもなります。
ご本人だけでなく、ご家族の負担も大きく減らしてくれるのです。
整理収納は「安心して暮らすための仕組みづくり」
私はこれまでも、著書やブログ、講座、ご相談を通して、
「シニア世代の整理収納は、単純に『捨てる技術』ではない」
ということをお伝えしてきました。
高齢者の心身の特性に配慮した整理収納とは、毎日の暮らしがラクになり、必要な時に必要なものがすぐ使え、ご本人もご家族も困らない環境を整えることです。
「探さない。」
「迷わない。」
「家族も困らない。」
そんな暮らしを実現する第一歩として、「お着換えセット」を始めてみませんか。
小さな工夫ですが、その積み重ねが、安心して暮らし続けられる住まいづくりにつながっていきます。
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