どうして、こうなっちゃったんだろ?~ゴミ屋敷と化した家~
キッチンのリフォームを検討中という
80代のご婦人が相談に来られた。
ガスコンロとキャビネットが
ダメになったことから、
キッチンを新しくするのだとか。
しかし、リフォームするには、
先に現場の調査に
業者の人が来られると聞いて、
片付けの相談に来られたのだ。
ご婦人曰く、
最近、わさわさしていて
片づけができていないそうで、
家の中が散らかっているのだそう。
『これを機会に
使ってないものを処分して
スッキリさせるのもいいですね。』
というと、
『モノが多いから、そうしたい。』
と仰ってはいたものの、
私が、片づけに伺うに前に
自分で少し片づけないと、
人に見せられる状態ではないという。
私からしたら仕事なので、
特別になにかを思うわけはないが、
ご本人さんのプライドが許さないのだろう。
家の中の片づけをさせていただくことは、
プライベートな空間に立ち入ることでもある。
なので、
『片づけるのが仕事ですから、
お気になさらなくてもいいですよ。』
とはいうものの、
土足でガツガツと入っていくようなことは
緊急な時以外はしない。
『今までの自分は、こんなではなかった。』
『これまでのように自分でできるはず。』
という思いを持ってらっしゃるのに
こちらの価値観でそのプライドを
へし折ることになるからだ。
それじゃ、片づけてもらわなくても、
自分でしたらいいんじゃないの?
ってことなのだが、
年を重ねることによって、
体力も気力も落ちてくるので、
若いころは、
当たり前のようにできていたことが
出来なくなることが増えてくる。
ご本人も、感じてはいるものの
認めたくはないのが悩ましいところ。
たぶん、今回の事前の片づけで、
このご婦人も、これまでよりもっと
それを感じることになるのではないかと思う。
まずは、老いは誰もが経験する普通のことと、
出来なくなった自分を受け入れて、
1人でなんでもしようと
無理をして頑張りすぎないように
少し人に頼ってみるということも必要。
これには周囲の環境も影響はするが、
そうした方が、結局のところ、
周囲も出来ないことを受け入れてくれ、
自身も日常の生活のイライラや、
無理をして怪我や事故を起こしてしまうこと
などが減ることに繋がる。
シニア世代の心身の特性に配慮した整理収納・comfy living