片づけているのに散らかってる
今年、初の仕事は、
とても、心身ともに疲れる仕事だった。
現在、お一人暮らしのご婦人。
連れ合いさんを亡くされてから、
徐々に家の中が散らかっていったそう。
更に転倒から動くことが不自由になって、
それが酷くなってしまっていた。
ご家族や行政などの説得で、
ようやく片づけることになったのだが、
当日、伺うと、想像以上の光景だった。
かろうじて、ご本人が座る
椅子の座面だけがモノがない状態。
でも、ここにあるモノのほとんどは、
自分にとっては必要なので触れるなと、
泣きながら声を荒げて叫んで抵抗する。
それを宥めて気持ちを落ち着かせ、
先ずは、幾重にも積み重なり家の中を占領して
悪臭を放っているモノを
処分する事に納得をしてもらい片づけていく。
それを家の外に運ぶと、
手伝いに来た家族(遠い親戚)が現状を目にして、
あまりにも光景に驚いて涙ぐんで立っている。
遠く離れたところに住んでいるこの方は、
一人で暮らすご婦人のことを心配して、
時折、電話をかけて、様子を伺っていたが、
「心配しなくても大丈夫」と仰るので、
まさか、こんなことになっているなんて
思ってもみなかったのだ。
なので、自分を責める言葉を投げてくる。
きっと、会うことがあったとしても、
家の中には入れていないことも想像できる。
こちらは、こちらで、お話を聞いて、
お気持ちを落ち着かせて、
また、作業に戻るを繰り返す。
中のご婦人は、話をながら作業をすることで、
時間の経過とともに少しずつ心を開いて、
ついには自分でゴミ袋を手にして、
「これを入れて」と言って下さるまでになった。
が、この日は、トイレまでの動線の確保で終了。
このご婦人もだが、これまでの人生を
人に頼ることなく頑張って来られた方は、
「自分で出来る」というお気持ちが強く、
人に頼ることは、自尊心を欠くことになる。
徐々にできない事が増えると、
人に頼ることとの心の葛藤を生むことにもなる。
でも、それを誰とも共有することも出来ず、
ためらっているうちに家の中が、
どうしようもない状態になっていくといった方が
これまでの私の経験上、多いように感じる。
頑張った結果が・・・・。
なんとも言えない複雑な思いになる。
シニア世代の心身の特性に配慮した整理収納・comfy living