データでなくて紙
「自分は、ずっと、ここでこのままで」と
誰しもが思いたいけれど、
いつまでも住み慣れた我家で住めるか?
というと、突然に住めなくなることも多くある。
先日、お手伝いに伺った2件の仕事。
このどちらもが、「突然」だったのである。
1件目は独居のAさん、
2件目は認認介護のBさんご夫婦。
どちらも、ある日突然の救急搬送から、
もう自宅には帰れない状態になったのだ。
それで、先日、
急な片づけの手伝いのご依頼があり、
タイミングよく空きの日だったので、
作業をさせていただいた。
玄関のドアをあけると、
Aさん宅もBさんご夫婦宅も、
転倒してもおかしくないような、
床が全く見えない状態。
中のモノを全部処分出来れば
私も必要ではなかっただろうが、
床に何層にも積み重ねられたモノを
一つ一つ丁寧に見て、
ご本人のこれからの為に
残しておかないといけないモノを探し出して
処分するモノとは分けなければいけない。
しかしながら、ご本人も、
どこに仕舞ってあるのかを把握していない。
でも、預貯金の通帳や印鑑、書類、
ご身内の連絡先などなど・・・大切なモノがないと、
次に住まう場所も、すんなりとは決められないのだ。
また、それらとは違う面で、
普段、ご本人が大切にしていたモノや、
お気に入りの洋服、思い出の写真なども、
他人には分かるはずもなく、
全て処分されることになってしまう。
こうなっては、もう、
「自分の思うようにはいかない。
こうなる前に、大切なモノだけでも
ご自身で整理されておかれていれば・・・」と
虚しいというか、哀しいというか、悔しいというか・・・
どう表現すればよいのか適切な言葉がみつからないが、
仕事として片づけをしている私が、
どうしようもない気持ちになった。
このブログでも、何度も書いているが、
「予防」も大切だけれど「備え」も大切。
住み慣れた我家で、
少しでも長く自立した生活ができるように
健康に気をつけて病気などにならない予防と一緒に
介護にかけられるお金の見通しを立てておくことや、
資産などの整理をして、家族と情報の共有、
自分がどんな介護を希望するかなどを
家族と話しあっておくなど、
ある日突然にやってくるかもしれない「介護の備え」も、
ご自身にため、ご家族のためにも、
是非、しておかれる方が良いと思う。
シニア世代の心身の特性に配慮した整理収納・comfy living