「しない」のではなく「してあげられない」のです。

弘瀨美加

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テーマ:高齢者の整理収納



お客様の中には、
「申し訳ないけれど・・・」と、
私の本来の仕事以外の事を
やって欲しいとお願いする方がいらっしゃいます。
勿論、私の出来る事であれば、
快くして差し上げます。
そうすると、
「ヘルパーさんは、してくれなくてね。」
と仰る方もいらっしゃるのです。
私は、介護保険サービスでの
仕事をしているわけではないので、
自分が出来る事であれば、
お引き受けする事ができますが、
介護ヘルパーさんには規則があって、
「してあげられない」事があるのです。
その事を説明すると、
「そうだったのね。」と納得はされますが、
介護ヘルパーさんが、
出来る事と出来ない事の
区別は理解しにくい様です。



例えば、掃除は、
要介護者が使う部屋だけはOK。
けれど、窓ふきは、
日常生活に必要でないとされ、
大掃除に入るのでしてはいけない。
といったように
必要最低限のことしか出来ないのです。
ヘルパーさんと話をしていると、
「規則という線引きがないと
収拾がつかなくなってしまうけれど、
窓の外の景色が見たいと願う人の
汚れた窓を拭いてあげられないのは心が痛む。」
と、利用者さんと規則という縛りの間で、
もどかしい思いをされている方が
沢山いらっしゃいます。



生活援助の介護ヘルパーの仕事は、
お手伝いさんと同じではありません。
調理や掃除・買物の代行というような
身体的なもの以外の身の回りの事で、
利用者本人の出来ない部分を代行する事です。
そして、それには規則という縛りがあるので、
「しない」のではなく
「してあげられない」こともあります。
とは言っても・・・、
「日常生活に必要」となるものは、
これまでのそれぞれの生活のスタイルがあるので、
利用者さんの要望が、
規則の縛りから外れてしまうこともあるのでしょうけれど、
「してくれない」ではなくて、
「頼めないこと」と理解され、
表現される方が増えるといいなと思います。

シニアの心身の特性に配慮した整理収納・comfy living

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弘瀨美加
専門家

弘瀨美加(講師)

comfy living

在宅介護経験者だから伝えられる実践的な整理収納スキルに強み。高齢者の心身の特性に配慮した収納のテクニックで安全で安心な住環境の整え方を提案。介護する人される人、双方の気持ちの負担も軽くなるよう努める。

弘瀨美加プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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