生きる気力=人と関わること
片付けの実作業に伺っているお客様。
行くたびに
『片付け』のエンジンがかかって、
とても嬉しく思っています。
前回は、
『リビングを変えてみる』
とご夫婦で考えて、
リビングにある収納家具と
2階にある家具を置き替えようと、
お子さんが帰省するタイミングで
実行すると仰って、
そうした時の部屋の様子を想像して
わくわくされていましたが、
ご主人とお子さんの
スケジュールが合わず計画は延期に。
今回、伺うと、
それぞれの家具の中に入っていたモノを
全部出して、仕分けをした状態で置いてありました。
聞くと、現在2階にある家具は、
家の階段から運んだということで、
中は全部出してあるし、
ご主人と二人なら運べるかも!?とやってみました。
家具の四隅に滑り止め付の軍手を敷いて、
部屋の中や廊下は滑らせて移動。
階段には、段ボールと毛布を敷いて、
滑り台の様にして家具を動かしました。
と・・・
ここまでは、順調だったのですが、
曲がった階段の踊り場から、
家具が動かせない・・・。
立てても寝かしても曲がれない。
『この家具を買った時は、
二人で上まで運んだんだけどなぁ・・・。』
と首を傾げて、どう運んだか思い出して、
あれこれやってみたけれど、やはりダメ。
『あっ!その時、階段に手すりってありました?』
と私が聞くと、
『手すりは、つけてなかった!』
とご主人。
これで分かった!
家具を買った時と、今とでは、
手すりの分、階段の幅が狭くなっていたのです。
(平成12年(2000年)6月1日に、建築基準法が改正され,
現在は、 階段への手すりの設置を義務付けています。)
転倒防止や歩行や動作を円滑にする役割を持つ手すり、
安全で豊かな日常生活を支援してくれ、
日常生活の質の向上に とても役立ちます。
設置するには、手すりの太さや、高さ、位置などを
使う人に合わられています。
高齢者を含め大勢の方が使う手すり高さは
床から75~85cmくらい、
お子さんや背の低い方、車椅子を利用されている方では、
高さ60~65cmくらいの位置に取り付けられています。
そして、壁から7~10cm程度、
取り付けた階段や廊下の幅を狭めることになります。
なので、手すりを設置する前は、
階段の踊り場で
家具を回転させることが可能だったけれど、
設置後は、手すりの分、
階段の幅が狭くなったので、
家具を手すりの高さより上に持ち上げて、
回転させることが出来ず、
2階から1階に下ろすことが不可能で、
ご夫婦の計画は実行することが出来ませんでした。
残念な事に
家具を分解する事も不可能で、
専門の業者に頼んで、
2階の窓から下ろしてもらう他、
今のところ方法はみつかりません・・・。
そうなると、費用もかかります。
手すりを設置する前に
2階にある大きな家具も、
今後、必要であるか?ということを
見直しておいた方が良いですね。