生きる気力=人と関わること
以前、認知症のご主人を介護されている方から、
『お父さんが、トイレの場所が
分からなくなったみたいなの。』
と相談された事があったのです。
よくお話を聞くと、
日中は、ちゃんとトイレに行けるけれど、
夜になると分からなくなって、
他の場所で用をたしてしまわれるそうで、
とくに寝ている途中にトイレに立った時が、
多いという事でした。
私も同じ事で困った事があったので、
その時に私がした事を
『一度、試されてみては?』と
アドバイスをしたのです。
この方も実行されたら、
他の場所で用をたす事がなくなって、
ご自分も、ゆっくり寝れるようになったと、
今日、知らせに来てくれたのです。
私がしたアドバイスは、
夜間、トイレの照明をつけたままにして、
トイレが見えるようにドアを開けておく事。
トイレのドアを開けっぱなしにすることは、
かなり抵抗がありましたが、
灯台の光じゃないけれど、
『ここにトイレがありますよ!』と
照明の光で誘導(?)するようにしたら、
トイレ以外の場所で
用をたす事がなくなったのです。
この方法に辿りつくまでには、
寝室にポータブルトイレを置いてみたり、
夜も家の中の照明をつけて
昼間の様に明るくしてみたりしました。
けれど、ポータブルトイレは使わない、
家の中を明るくすると眠れない、
などなど・・・の結果、
この方法をとったのです。
『こんな事をしなくても、
人感センサーライトを
トイレまでの経路につければいいじゃない。』
と思われる方もいらっしゃるでしょうけれど、
認知症の方は、
いきなり照明がついたりすると、
戸惑ってしまわれる方も少なくないのです。
私のとった方法も、
寝室から、トイレまでが、
照明の光が見えないくらい遠いと、
有効ではありませんし、
全ての方に良い方法とも言えませんが、
現状で出来る場所を分かりやすくする
ひとつの工夫として紹介しました。