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コラム

blog読者様からのメール~老老介護の果てに~

2017年7月9日

テーマ:お客さまの声

コラムカテゴリ:くらし



先日、私のblogの読者様から、
介護の大変さ、その経験から思った事などを綴ったメールをいただきました。
『私の事例が役に立つなら使って下さい』とご本人の承諾を頂きましたので、ご紹介します。

読者様のメール

はじめまして。
いつも、blogを拝読して、学んでいる者です。
突然のメール、お許し下さい。
私ごとですが、先月、父は老老介護に疲れ果てて逝きました。
母が認知症だとわかっても、父は、長年住んだ土地だからプライドがあったのか、
他人が家に入るのを嫌がったり、病気は薬で治ると信じ込んでいたので、
介護サービスを受けるのを拒み、母の介護をしていましたが、
昭和一桁の父には、優しい言葉をかける器用さが無かったのでしょう、
何も出来ない母を父が叱り、母は父に暴言をはくの繰り返し。
私も、午前中仕事して、午後は自宅から片道2時間かけて実家へご飯を作りに行ってトンボ返りし、
自宅に帰ってからは、くも膜下出血で障害が残った主人の世話という日々が続いて、
病気になってしまい入院。
それからは、思うように実家にも行けなくなったので、回りの援助を拒む父を説得できないまま、
母を特養に入れましたが、途端に父の体調不良。
張り詰めた糸が切れたみたいで、
お医者さんいわく、喧嘩していても、それが、コミュニケーションであったのかもと。
もしかしたら・・・母を特養に入れた事が、父の寿命を縮めたかも?と思ったりしています。



介護は突然やって来ると言いますが、まさにそんな感じでした。
みかさんの講座を受けようと思っていたのに受けられないまま始まりました。
この経験で、まさに、みかさんが取り組まれている
高齢者向けの整理収納などは、必要と実感しました。
母は特養入っていますが、父が亡くなり年金も減り、
母の年金だけでは施設費用は払えません。
父が入院直後、取り敢えず銀行のキャッシュカードの暗証番号は聞き出せたけど、
あっという間に喋れなくなったので、金庫の開け方を聞けませんでした。
中には何もないと言っていたけれど、
東日本大震災のあとにリュックに貴重品を入れ換えたみたいで
それが、どこにしまってあるのか・・・
母が認知症になってしまった今、分からないことだらけ。
私たち子供にも色々伝えておいて欲しかったことも、もう聞けないし…
そして、認知症の母の症状が重くなる前に
母にとって暮らしやすい家の中の環境にしていれば、
何も出来ないと言って、父に叱られて喧嘩ということも、少なくなっていただろうし、
両親の心身の負担も軽くなっていたことでしょう。
みかさんが言われているように、両親が元気なうちに一緒にしておくべきでした。



もうひとつ、介護で大変だったのは、知識がないので、
行政のサービスを受けるには、
自分で調べて自分で動かないといけない状況だった事。
最初にデイサービスに母を行かせようとしたときのケアマネさんとの相性が悪く、
私は電話で二時間以上も話し、
結局は母が行くと言わない限りデイサービスは契約できないと言われ、
『じゃあどうすれば?』と聞いたら、
『ボケきるまで待つしかない』と言われました。
その後、私が入院してしまったことで負担は父一人に集中。
電話する度に、『もう限界だ!』と言う父に
私も身体が動かずどうしようもない状況だったので、
藁をもすがる気持ちで、行政に相談したときのケアマネさんは良い方で、
両親にあったサービスを提案してくれました。
ケアマネさんは、何度でも自分に会う人を探せるということを知っていれば、
両親の過ごし方も変わっていたと思います。
払うものは直ぐに行政から請求が来るけれど、
頂くものやサービスに関しては自分で調べなければならないのは、
私たちでも分からないのですから、高齢者のみの世帯ではきっと、
受けられる支援もわからないまま過ごしている方が多いと思います。
それに加え、父の様にプライドがあって、回りの援助を拒み、
行政の力を借りるのをためらう方も多くいらっしゃるのでは?
人の気持ちを動かすのは難しい事ですが、
『地域社会との連携を目指す』という目標を持つ高齢者の整理収納サポーターの皆さんが、
高齢者の方々と行政とを繋ぐ一番近い存在になって、これから、益々、活躍され、
私達家族が重く感じた心身の負担をこれからの方達には少しでも軽くなるようにしてさしあげて下さい。
遠くから応援しております!頑張って下さい!

このメールを下さった読者様へ

お父様の自尊心を傷つけないように気遣いながらの介護は、
私にも同じ様な経験がありますが、大変だったと思います。
その経験をこのように公開していただいた事、
記事を読んだ方々にとって、とても参考になると思います。
私達、高齢者の整理収納サポーターに下さったお言葉を胸に刻み、
これからも、一歩は小さいものかもしれませんが、
それを積み重ねて、大きなものになるように頑張って行きたいと思います。
ありがとうございました。

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この記事を書いたプロ

弘瀨美加

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弘瀨美加(comfy living)

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