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棚村英行

外国人の方の、ビザに関する悩みを解決する申請取次行政書士

棚村英行(たなむらひでゆき) / 行政書士

行政書士法人JAPAN VISA SUPPORT

コラム

許可事例:難民申請者のビザ取得

2019年5月27日 公開 / 2019年5月29日更新

テーマ:当事務所の許可事例

コラムカテゴリ:法律関連

依頼人:ネパール国籍【特定活動:難民認定申請】
申請種別:【在留資格認定証明書交付申請】
在留資格:【家族滞在】


難民認定申請をした依頼人が、その後、弁護士に依頼して、在留資格の変更許可申請をするも不許可になってしまった事案。

現在の運用では、出入国在留管理局は、難民申請者のビザの変更申請について基本的には許可していません。なぜなら、偽装難民認定申請、つまり、就労目的で嘘の難民認定申請をする外国人の方が急増し、近年大きな問題となっているからです。

今回の依頼人の方は、「技術・人文知識・国際業務」の在留資格で日本に在留する夫と、「家族滞在」の在留資格をもつ2歳の子供と同居している女性でした。そして、彼女は当時、妊娠していました。彼女は、日本に留学中に学校を退学し、在留資格を失ってしまったものの、日本に残りたいという思いから、難民認定申請をしました。彼女は、同じくネパール国籍の友人から聞いた、「難民の申請をすれば簡単に日本に残ることができる」という誤った情報を信じてしまい、明らかに難民に該当しないにもかかわらず難民認定申請をしてしまいました。

彼女は日本で結婚し、子供が生まれたこともあって、弁護士に依頼して「家族滞在」への在留資格変更許可申請をしましたが、許可されなかったことから、当事務所にご相談に来られました。お話を聞くと、依頼人の方は、過去の行為を深く反省しており、幼い子供とこれから産まれてくる子供のために日本に残りたい強い意志をお持ちだったので、難しい手続きであることをご説明したうえで依頼をお受けしました。

まず、私たちが彼女に同行して出入国在留管理局に行くと、審査官の方は、「彼女は日本に滞在するために偽の難民申請をしたひどい人間だ」、「妊娠は日本に残るための方法としてだろう」と私たちの依頼人を罵り、身重の依頼人に帰国を迫りました。そして、安定期に入るまでの数か月の猶予の後、彼女は本国に帰国する事になりました。たしかに、彼女は非常に多くの問題を抱えていた依頼人でしたが、しかし、彼女には正規の在留資格をもって在留する2歳のお子さんの監護者という一面もあり、私たちは、彼女にできるだけ早く正式な在留資格を取得させる必要があると考えました。

申請では、依頼人が過去に難民認定申請をしたことについての反省と、現在は「家族滞在」の在留資格該当性を有することを慎重に立証することを心がけました。その結果、審査には時間がかかりましたが、4ヵ月後に無事に在留資格認定証明書が交付され、日本で家族と共に出産を迎えることができるようになりました。

たしかに、偽装の難民認定申請は非常に悪質な行為であり、犯罪になる可能性があります。しかし、その方が真摯に反省し、他の在留資格の要件を満たしている場合は、その方には在留資格が与えられるべきであると我々は考えています。

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