コロナ禍の状況におけるイベント開催の是非(その3)

酒匂信次

酒匂信次

テーマ:感染対策

コロナ禍の状況におけるイベント開催の是非(その2)の続きです。
このシリーズは今回で終了します。

前回はここで終わっていました。

>~収容定員5,346人、鹿児島アリーナでのクラシック音楽コンサート
要件1感染リスクの少ないイベントに該当→5,346人(収容率100%)
要件2収容定員が1万人を超える場合→非該当→収容定員の100%
よって,要件1,要件2の小さい方を限度とするので,収容可能人数の限度は5,346人となります。

なるほど、100%収容OKなのですね。
但し、ここで注意しないといけないのは「1,000人以上のイベントの事前届け出制度」。
ここに関しては、申請をしたことがないので、「1,000人以上のイベントの開催内容」としてどれくらいハードルが高いかは不明です。

何せ、鹿児島県としては
「1万人以上」と「1,000人以上」で二つのバーを設けていることになります。

では?
例えば、鹿児島の一番代表的なホールである「宝山ホール」で演奏会を開催する場合は?
「感染リスクの少ないイベント」で所定の感染対策を取れば?
「999人までは無条件で収容していいのか?」

答えはちょっとグレーですね。

三つ目の「施設ルール」との兼ね合いがあります。

続きは(その3)で説明します。

**********************************

国と都道府県のルールを確認したところでした。
あとは「施設のルール」ですね。
実はここが一番大事なところかと思います。
と言いますのも、ルール以前に緊急事態宣言や新型コロナウイルスのワクチン接種会場に使われるなどして「施設そのものが休館」になってしまったら、演奏会開催どころの騒ぎではないわけです。福岡市ではその例も見かけた気がします。

では、宝山ホールを例にとって、「施設のルール」を確認してみましょう。
宝山ホールのウェブサイトの該当箇所を引用します。

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R3年5月1日
ホール利用に係る 新型コロナウイルス感染拡大防止対策のお願い
https://www.houzanhall.com/news/5079/

ホールのご利用にあたり、 新型コロナウイルス 感染拡大防止の為 、 以下の対策を講じていただきますようお願いします。また 、 業種別ガイドラインにつきましても、ご利用前の内容確認をお願いします。なお、 今後発出される国や県の新たな方針等により 、 取り扱いが変更になることがありますのでご留意ください 。

[感染防止のための 基本的な考え方]
①密閉空間 、 密集場所 、 密接場面の回避 。
② 接触感染 及び飛沫感染 のリスク低減(身体 的距離の確保 、 マスク着用 、 手洗い推奨 等 。
③来場者の把握、 管理。
④業種ごとに定められた感染拡大予防ガイドライン等に沿った対応

周知・ 広報

感染予防のため、 来場者に対し以下について周知してください。
(1 マスク の原則常時 着用 や咳エチケットの励行 、 こまめな手洗い ・ 手指 の 消毒 。
(2 ソーシャルディスタンスの確保。
( 大きな声を出さないこと、 対面での会話は避けること。
( 来場自粛の依頼 。
①発熱 、咳、 のどの痛み 、 体のだるさ 、 味覚・嗅覚障害などの体調不良を感じている方 。
②身近に、 新型コロナウイルス感染症に感染の疑いがある方がいらっしゃる方。
③過去 2 週間以内に 政府から入国制限、入国後の観察期間を必要とされている国・地
域への訪問及び当該在住者との濃厚接触がある方。
・関係者,来場者に,新型コロナウイルス接触確認アプリ(COCOA)をインストールすることを促してください。

感染防止策
・会場に手指消毒液(アルコール消毒液など)の設置をお願いします。
※消毒液は主催者で準備してください。
・会場入り口での検温実施をお願いします。検温の結果 37.5 ℃以上の発熱が確認された場合は、 入場をご遠慮していただくなどの処置をお願いします。
※サーマルカメラ 1 台),非接触型体温計( 5 台)をお貸し出し できます。

来場者同士の接触や密な状況を発生させないよう 、 次のような対策を講じてください。
(1)開場・休憩時間の延長
(2)入場・物品販売・トイレなどの待機列(最低 1 mできれば 2 m)の適切な案内
(3)入場時のチケット確認(もぎり)の簡略化
(4)プログラムやアンケート等の手渡しの廃止
(5)退場時の工夫(券種やゾーンごとの時間差での退場など)
(6)差し入れ・出演者面会等の自粛
・座席は、 原則として指定席とし、 十分な座席の間隔(前後左右を十分に空けた配置)としてください。自由席の場合は前後左右を空けるようアナウンス等で促してください。
同一グループ(5名以内に限る。)内では座席の間隔を空ける必要はありません 。異なるグ
ループ間では座席を1席は空けてください。

※令和3 年 6 月末 までの間 の利用について、来場者による大声での歓声・声援 ・唱和 等がないことを前提とする利用については、一定の要件のもとでこの制限を緩和します。
・客席最前列は舞台前から十分な距離をとるようにしてください。
・来場者と接触するような演出(声援を惹起 する 、 来場者をステージに上げる 、 ハイタッチをする等 は行わないようにしてください。
・物品販売を行う際は 、 アクリル板やビニールカーテンなどで購買者との間を遮蔽するよ う努めてください。また 、 サンプル品や見本など不特定多数が接触する物は極力置かないようにしてください。
・会場内は、 空調システムにより常時適切に換気を行っておりますが 、 開場中・休憩時・終演後に屋外に通じる扉や客席扉を開放し 、 会場内の換気をお願いします。

公演関係者の感染防止策
・各自事前に検温し、 37.5 ℃以上の発熱や咳などの風邪症状がある場合に は 、 来館は控えてください。
・マスクの着用とこまめな手洗い、 手指消毒の徹底をお願いします。
・公演従事者の氏名及び緊急連絡先を把握し 、 名簿を作成してください。
・仕込み、 リハーサル 、 撤去等において 、 十分な時間を設定し,密な空間の防止に努めてください。
・舞台上、 舞台裏などで密集しないような対策を講じてください。

来場者の把握・管理
・来場者の 氏名及び連絡先をまとめ、主催者の責任により一定期間保管してくださ い。
・万が一感染者が発生した場合は 、 来場者・関係者への確実な連絡と行政機関による調査への協力をお願いします。

鹿児島県への事前相談
・全国的な移動を伴うイベント又はイベント参加者が 1,000 人を超えるようなイベントは、鹿児島県(業務上関連する担当課)へ事前相談を行ってください。
https://www.pref.kagoshima.jp/ae06/kaisaiseigen021112.html(鹿児島県 HP)

収容可能人数(ホール関連施設)



・国や県の対処方針に基づき定員の 50%
ホール 750 名
第6楽屋 10 名
第1楽屋 2 名
第7楽屋 10 名
第2楽屋 12 名
楽屋主催者控室 4 名
第3楽屋 2 名
第2リハーサル室 26 名
第5楽屋 20 名
・同一グループ(5名以内に限る。)内では座席の間隔を空ける必要がないため、50%を超える場合があります。
・令和3年6月末までの間の利用について、大声での歓声・声援・唱和等がないことを前提とする利用については、一定の要件のもとでこの制限を緩和します。
※令和3年6月末までのイベント開催制限について(鹿児島県ホームページ)
https://www.pref.kagoshima.jp/ae06/kaisaiseigen021112.html
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肝は…
収容可能人数(ホール関連施設)
・国や県の対処方針に基づき定員の 50% ホール 750 名
とはっきり書いてあるところですね。

「では999人じゃダメじゃないですか!」となりますが、下記の「但し書き」があります。

・同一グループ(5名以内に限る。)内では座席の間隔を空ける必要がないため、50%を超える場合があります。
・令和3年6月末までの間の利用について、大声での歓声・声援・唱和等がないことを前提とする利用については、一定の要件のもとでこの制限を緩和します。
※令和3年6月末までのイベント開催制限について(鹿児島県ホームページ)
https://www.pref.kagoshima.jp/ae06/kaisaiseigen021112.html


5名以内の同一グループが一座席空けなくてよい(※※)という特例。
これによって「750名を超えてもOK」ということになります。

さらに「大声での歓声・声援・唱和等がないことを前提とする利用については、一定の要件のもとでこの制限を緩和します。」
という緩和策。(一定の要件、とは何かはっきりしませんが、そこは国や県のガイドラインに準ずる、ということでしょうか?)

あとは、1,000名未満の県申請のルールがありますので、

結論で言うと
「大声での歓声・声援・唱和等がないことを前提とする利用については、750名~999名は収容可能」ということになりましょうか。

ただ、本当にそれで大丈夫ですか?
ということですよね。
以下は私見です。

まず、(※※)5名以内の同一グループが一座席空けなくてよいという特例。
ここが曖昧、というか怖いと感じます。
極端な話、「5人家族」や「5人の同級生」グループが、5席連続で横並びして、1席空けてまた5列連続で並ぶと…結構な密になります。
あと、原則論として、「同一グループだから感染しない」「家族だから感染しない」ということは全く無いわけで。
家庭内クラスターも頻繁に起きているわけですし。しかも変異株が急増している状態で、
鹿児島ではついに九州初のインド変異株も出てしまいましたし。(この文章は2021年5月21日21時に書いています)

このご時世ですと、結局、実務的には「左右前後1席空け」の「収容率50%」が上限というのが現実的かと私は思います。

というところで今日、今年になって初めての演奏会出演があって…





2021年6月20日には所属団の演奏会もございます。





まあ、どちらの演奏会も国、都道府県、施設のガイドラインにのっとって開催するものですので、「このご時世に演奏会だなんてけしからん!」と言わないでいただけるとありがたいなという…

長文にわたる「保身」の文書でした。

以上です。

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酒匂信次
専門家

酒匂信次(ファイナンシャルプランナー)

有限会社酒匂保険事務所

じっくりお客様の現状ヒアリングを行い、ライフプランに合った保険を提案します。弁護士との連携で相続問題にも対応。契約後も丁寧なフォローでお客様の人生を末永くサポートします。自主開催セミナーも好評です。

酒匂信次プロは鹿児島読売テレビが厳正なる審査をした登録専門家です

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