伝統建築が作られなくなった理由-建築基準法の基はアメリカの法律
こんにちは、㈲谷野設計 谷野行範です。
学生時代、大阪にいましたのでよく 京都のお寺を探索しました。
寺院の仏像に興味をもち、仏像の意味や形態、それぞれの経典などを調べ
京都市内の主なお寺は全て見て回りました。
と同時に、京都やお寺の建物に、現在にはない美しさに惹かれたのを覚えています。
今、なぜあのような木造建築物ができないのか?
現在の建て方と古い建物の建て方の違いを紐解きながら、古民家再生の方法を
探って見たいと思います。
今回は第一回として、「古民家とは何?」からまとめてみます。
古民家って何?
古民家の定義は、民俗学では一般庶民が住む古い建物とされていますが、
川上幸生著「古民家解體新書Ⅱ」では、登録有形文化財制度に合わせて
■ 築50年以上経過していること
■ 木造軸組工法の「伝統構法」、又は「在来工法」の民家
と定義とされています。
聞きなれない言葉が並びますが、要は「築50年以上の古い木造建物」と解釈して良いと思います。
古民家の定義の中で、「伝統構法」、又は「在来工法」とありますが
「構法」、と「工法」の違いから考えると
岩波書店広辞苑には,「工法」は「加工・工事などにおける造り方,組立て方」,
「構法」は「建物あるいはその部分の仕法,性能などをふまえた構成方法」と書かれています。
端的に解釈すると、
「構法」は、柱や梁また貫などの木軸材の構成方法
「工法」は、工事などにおける造り方,組立て方
となりますので
「伝統構法」は、主要な構造部材の構成方法が重要なポイント。
「在来工法」は、主要な構造部材の組み立て方が重要なポイント。
となり、似ているようですが建物を建てる根本的な思想がまるで違います。
次回は、なぜ「伝統構法」がなくなっていったのか?について書いています。