雪止めがない家は危険!隣人トラブルと賠償リスクを避けるための必須対策

こんにちは。盛岡市で屋根工事を専門にしている瀧澤屋根工業です。
10月も終わりに近づき、岩手山の頂上が白くなる季節になりました。盛岡の初雪は平年で11月9日ごろ。この時期になると「うちにも雪止めを付けたい」というご相談が一気に増えます。
ただ、雪止めは「付ければ何でもいい」というものではありません。屋根材によって付けられる金具が違いますし、雪の量や、雪が落ちる先に何があるかによっても選び方が変わります。
今回は、雪止めの種類と、屋根材ごとの選び方を整理してみます。雪止めが必要な理由や、付いているのに雪が落ちる家の話は以前のコラムで書きましたので、今回は「どれを選ぶか」に絞ります。
先に結論から書きます
雪止め選びは、次の3つで決まります。
- 屋根材(瓦・スレート・金属屋根・太陽光パネルの有無)
- その地域の雪の量(盛岡の市街地か、滝沢や雫石の雪の多い地域か)
- 雪が落ちる先(隣の家、駐車場、道路、玄関、物置)
この3つがそろって、はじめて「どの種類を、どこに、どれだけ」が決まります。カタログの写真だけで選ぶと、屋根材に合わない金具を付けてしまったり、雪の量に対して力不足になったりします。
雪止めにはどんな種類があるのか
まず、よく使われる雪止めの種類をざっくり分けます。
1. 金具タイプ(羽根型・L字型)
屋根の上に、小さな金具を点々と並べて付けるタイプです。一番よく見かける雪止めだと思います。
- 羽根型:板状の羽根が立ち上がっていて、雪の塊を受け止める形
- L字型:横から見るとL字の金具で、シンプルな形
- 屋根材の種類に合わせて、取り付け部分の形が違う製品が出ている
金具タイプは、雪を「点」で受け止めます。そのため、数と並べ方がとても大事です。間隔が広すぎると、金具と金具の間から雪がすり抜けます。
2. アングル・パイプタイプ
金具の上に、横長の鋼材(アングル)やパイプを通して、雪を「線」で受け止めるタイプです。雪止めアングルとも呼ばれます。
- 屋根の横方向に、柵のように1本通す
- 金具だけより、雪をしっかり受け止めやすい
- 雪の多い地域や、軒下に大事なものがある場合に向く
その分、屋根にかかる力も大きくなるので、取り付ける下地や金具の強さを見て決めます。
3. 瓦屋根の雪止め瓦
瓦屋根の場合は、瓦そのものに突起が付いた「雪止め瓦」があります。普通の瓦と差し替えて使います。
見た目が屋根になじむのが一番の良さです。ただ、突起が小さいので、雪の多い地域では雪止め瓦だけだと受け止めきれないこともあります。その場合は、後付けの金具やアングルを組み合わせます。
4. 金属屋根のつかみ金具
縦葺きの金属屋根(瓦棒・立平など)には、屋根の継ぎ目の立ち上がり部分(縦ハゼ)を両側から挟んで固定する金具があります。
- 屋根に穴を開けずに付けられる
- 雨漏りの心配が少ない
- ボルトの締め付けが甘いと、雪の重みでずれることがある
金属屋根は雪が滑りやすいので、雪止めの効き目がはっきり出る屋根です。
5. スレート屋根用の差し込み金具
化粧スレート(コロニアル)の屋根には、スレートの重なりの隙間に差し込んで固定する金具や、ビスで留めるタイプがあります。
差し込み式は、新築時や屋根工事のときに入れるのが基本です。後から付ける場合は、スレートの状態を見て方法を変えます。古いスレートは割れやすいので、無理に差し込むと割ってしまうことがあります。
6. 太陽光パネル用の雪止め
太陽光パネルの表面はガラスなので、雪がとても滑りやすいです。パネルの下側に、パネル用の雪止めを付けることがあります。
パネルのメーカーや架台によって、付けられる部品が決まっていることが多いです。パネルの保証にも関わるので、設置した会社やメーカーの決まりを確認してから進めます。
屋根材と雪の量、落ちる先で選ぶ
種類がわかったところで、選び方です。
屋根材で「付けられるもの」が決まる
- 瓦屋根:雪止め瓦への差し替え、または瓦用の後付け金具
- スレート屋根:差し込み金具、ビス留めの金具
- 縦葺きの金属屋根:縦ハゼをつかむ金具、必要ならアングルを通す
- 横葺きの金属屋根:屋根材に合った専用金具
- 太陽光パネル:パネル・架台に合う専用の雪止め
まずここで候補が絞られます。屋根材に合わない金具は、しっかり固定できなかったり、雨漏りの原因になったりします。
雪の量で「強さ」と「数」が決まる
同じ盛岡周辺でも、雪の量はかなり違います。一般的に、盛岡の市街地より、滝沢の北のほうや雫石、岩手山のふもとのほうが雪は多めです。同じ市内でも、山側に入ると積もり方が変わります。
雪の多い地域では、金具の数を増やす、2段にする、アングルを通すといった考え方になります。
落ちる先で「どこまで止めるか」が決まる
雪止めは、雪を屋根の上で少しずつ溶かしたり、少しずつ落としたりするためのものです。完全に雪を止め続けるものではありません。
だからこそ、落ちる先を見ます。
- 隣の家や境界が近い面:しっかり止める必要がある
- 駐車場や玄関の上:人や車に当たらないよう、しっかり止める
- 裏の畑や空き地に面した面:そこまで強く止めなくてよい場合もある
屋根の面ごとに考え方を変えるのが、うちのやり方です。
岩手・盛岡ならではの事情
岩手の雪は、降ってすぐ溶ける雪ばかりではありません。積もって、昼に少し溶けて、夜に凍って、また積もる。これを繰り返すうちに、屋根の雪は固く重い塊になります。
この塊が、春先や暖かい日に一気に滑り落ちます。雪止めには、この重い塊を受け止める力が必要です。
もう一つ、軒先の雪を止めすぎると、軒先に雪と氷がたまり、すが漏れ(軒先の氷が水をせき止めて屋根の内側に回る雨漏り)の原因になることもあります。止める力と、軒先の水の逃げ道。両方を見て決めるのが、寒冷地の雪止め選びです。
現場でよくあるケース
当社によくご相談いただく、典型的なパターンをいくつか紹介します。
ケース1:築20年代・縦葺きの金属屋根
金具タイプの雪止めが付いていましたが、雪の塊が金具の間をすり抜けて、カーポートの屋根を傷めていました。この地域は雪が多めです。縦ハゼをつかむ金具に、アングルを通す形に変えました。
ケース2:築30年代・瓦屋根
雪止め瓦が使われていましたが、玄関の真上の面で、毎年雪が落ちてくるとのご相談。屋根に上がってみると、雪止め瓦の数が少ない面がありました。瓦用の後付け金具を足して、玄関まわりを重点的に止めました。
ケース3:築15年前後・スレート屋根と太陽光パネル
パネルの下から雪が勢いよく落ちて、物置の屋根がへこんだお宅です。パネルの設置会社に確認したうえで、パネル用の雪止めを取り付け、スレート部分にも金具を足しました。
よくある質問
Q. 見た目が気になります。目立たない雪止めはありますか?
屋根の色に合わせた色の金具や、瓦屋根なら雪止め瓦があります。ただ、雪の多い面では見た目より強さを優先したほうがよい場合もあります。面ごとに相談しながら決めます。
Q. 雪止めは多ければ多いほどいいですか?
多すぎると、屋根の上に雪が長く残り、屋根や軒先への負担が増えることがあります。雪の量と落ちる先に合わせた数にするのが大事です。
Q. 自分でホームセンターの金具を付けてもいいですか?
屋根に上がること自体が危ないので、おすすめしません。また、屋根材に合わない金具や取り付け方だと、雨漏りや金具の脱落につながります。
ここだけは気をつけてほしいこと
- 「屋根材に合っているか」を必ず確認してください
- 雪の量の違いを考えずに、よその家と同じ数にしないでください
- 太陽光パネルがある家は、パネルの保証の決まりを先に確認してください
- 落雪で隣家や車、通行人に被害が出ると、屋根の持ち主が責任を問われる可能性があります(民法717条。法律の細かいところは専門家にご確認ください)
雪止めは、屋根材・雪の量・落ちる先の3つで選ぶもの。ここを押さえておけば、大きく外すことはありません。
まとめ
- 雪止めには、金具タイプ、アングル・パイプ、雪止め瓦、つかみ金具、差し込み金具、太陽光パネル用がある
- 屋根材によって、付けられる種類が決まる
- 雪の多い地域では、数を増やす・アングルを通すなど強さを考える
- 落ちる先に何があるかで、面ごとに止め方を変える
- 止めすぎると、すが漏れの原因になることもある
雪止めの種類や取り付け例は、こちらのページにもまとめています。
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瀧澤屋根工業 代表のタキサワでした。


