花巻でフェンスやブロック塀を考えているあなたへ。大翔興業の刈田が正直に話します
「最近、このへんでも熊が出るんですよ」
前に、境界のフェンスの相談を受けたとき、お客さんが最初に言ったのがこの言葉でした。
岩手に住んでいると、熊のニュースはもうめずらしくありません。山の近くだけじゃなく、ふつうの住宅地の近くでも見かけた、という話を聞きます。私も現場に行く道で「熊出没注意」の看板を見ることが、前よりふえた気がします。
そのお客さんの土地は、うらが林につながっていました。もともと境界には何もなくて、どこからどこまでが自分の土地なのか、ちょっと分かりにくい感じでした。
「境界をはっきりさせたい。ついでに、少しでも熊よけになればいいんだけど」
そういう相談でした。
メッシュフェンスにした理由
メッシュフェンスというのは、細い鉄の線をあみのように組んだフェンスです。学校のグラウンドや、公園のまわりでよく見るやつですね。
このときメッシュフェンスにしたのは、いくつか理由があります。
- 長い距離でも立てやすい
- 向こうが見えるので、林の様子が分かる
- 風を通すので、強い風でもたおれにくい
- 雪も、板のフェンスよりはかかりにくい
目隠しのフェンスだと、たしかに見た目はきれいです。でも、林の向こうから何が来るか見えなくなってしまう。お客さんも「見えるほうが安心」と言っていました。
正直に言っておきたいこと
ここは、はっきり書いておきます。
メッシュフェンスをつけたからといって、熊が来なくなるわけではありません。
熊は力が強いですし、木にも登れます。フェンスをこえようと思えば、こえられることもあると思います。
なので私は、お客さんにも「熊が来なくなる、とは言えません」と正直に伝えました。そのうえで、
- 境界がはっきりする
- ふらっと入ってきにくくなる
- 人の手が入っている土地だと分かる
このくらいの意味はあると思います、という話をしました。お客さんも「それで十分。何もないよりずっといい」と言ってくれました。
できないことを「できます」と言うのは、私はいやなんです。あとでこまるのは、お客さんのほうなので。
工事で気をつけたところ
林の近くの工事は、ふつうの住宅地とはちょっとちがいます。
まず、木の根っこです。地面をほると、思ったより根っこが広がっていて、柱を立てる穴がなかなかほれないことがあります。根っこを切っていいのか、木をいためないか、そこを考えながら進めました。
それと、地面がでこぼこしていることも多いです。平らな土地なら、フェンスの高さをそろえるのはかんたんです。でも、坂になっていたり、くぼみがあったりすると、フェンスの下にすき間ができてしまいます。すき間があると、小さい動物なら下から入ってきます。なので、地面の高さに合わせて、できるだけすき間が出ないようにしました。
柱の根元は、しっかりコンクリートで固めます。冬になると、雪がフェンスにかかったり、地面がこおって持ち上がったりします。根元が弱いと、何年かでグラグラになってしまう。ここは見えないところですが、手をぬかないようにしています。
林のそばは、草ものびやすいです。フェンスの下に草がしげると、そこがかくれ場所みたいになってしまいます。なので、フェンスのまわりは草をかりやすいように、少し間をあけておくといいですよ、という話もしました。フェンスを立てて終わりではなく、そのあとの手入れまで考えておくと、長く使えると思います。
それと、高さも相談しました。高くすればするほど安心な気はします。でも、高いフェンスは雪や風の力も受けやすくなります。柱の太さや、柱と柱の間かくも、高さに合わせて考えないといけません。このときは、お客さんの気持ちと、冬の雪のことを両方考えて、むりのない高さにしました。
ちなみに、林の近くで作業するときは、だれでもやっぱり熊は気になると思います。音を出したり、声をかけ合ったりしながら作業する、という話もよく聞きます。地元の人にとっては、熊はもう「遠い山の話」じゃないんですよね。
終わってから思ったこと
工事が終わったあと、お客さんがフェンスにそって歩きながら「ここまでがうちなんだね」と言っていました。
境界って、ふだんはあまり気にしないものです。でも、はっきりすると気持ちがすっきりするみたいなんですよね。となりの人とも話がしやすくなった、と後で聞きました。
私も、境界がはっきりしただけで、土地の見え方がこんなに変わるんだなと思いました。前はどこまで草をかればいいかも分からなかったのが、フェンスの内側だけ気にすればいい。それだけで、手入れの気持ちもラクになるみたいです。
熊のことは、これからもっとふえるのかもしれません。フェンス1本でぜんぶ解決、とはいきませんが、自分の土地を守る一歩にはなると思います。
林や畑のそばの土地で、境界やフェンスのことが気になっている人がいたら、声をかけてください。土地を見ないと分からないことも多いので、まず見に行きます。
大翔興業 刈田文也


