漢方薬「葛根湯」は魔法の薬?
いつもコラムをご覧くださりありがとうございます。
白山市みずほ 「漢方専門 福の樹薬局」 薬剤師の伊藤です。
突然ですが・・・
風邪でもないのに喉の調子が悪いことってありませんか?
のどの不調は風邪以外にも・・・
・大気汚染などの微粒子
・ストレス
・粘膜の乾燥
・水分代謝の異常
・胃腸障害
などがあるんですよ。
今回は、そんな中でも使いやすい半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)をご紹介します。
半夏厚朴湯 (薬局医薬品)
一般的には「のどの痞え感」が気になるときに使われることが多いのですが実はいろいろな使い方がある処方なんです!
構成生薬は半夏・茯苓・厚朴・蘇葉・生姜の5つから成る漢方薬で、その内の半夏・茯苓・生姜の3つは<小半夏加茯苓湯>という処方でもあります。
この小半夏加茯苓湯は胃腸の過剰な水を取り除き、体内の水分バランスを整える働きがあるので、「妊婦さんのつわり」に使われることも多く、悪心・嘔吐に効く漢方なんです。そこに、紫蘇の葉とホウノキの樹皮である厚朴を加えたのがこの<半夏厚朴湯>という処方です。
紫蘇の葉と厚朴は「気の流れ」を良くし、ジメジメした気分をスッキリしてくれる生薬なので<半夏厚朴湯>は「うつ傾向」や「神経症」にも使われています。
また、気道や食道の粘液をスッキリしてくれる働きもあるので、喘息や嚥下困難といった症状にも対応が可能な処方なんですよ。
また、近年ではガン治療時の「吐き気」や「嘔吐」で気持ちまで沈みこんでしまうときの対症療法として利用されることも多いようです。
「ストレスによる喉の詰まり」や「喉の閉塞感」、「胃腸障害(悪心・嘔吐・逆流性食道炎)」「水分代謝異常による粘液増加に伴う咳や喘息」「アレルギー性の粘膜系疾患」ととても幅広く効果を発揮してくれる不思議な漢方薬ですよね。
漢方薬は「苦い」というイメージがありますが、このような「吐き気」や「気持ち悪い時」に用いる漢方薬はサッパリ味なので安心です。
また、この処方は紫蘇の葉が配合されていますのでハーブティーのような風味もあって飲みやすいですよ。
半夏厚朴湯を組み合わせた処方に柴朴湯・茯苓飲合半夏厚朴湯といった処方があるように、いろいろな場面で必要とされる漢方処方です。
自分に合った漢方処方が飲みたい方はお気軽にご相談下さい。カウンセリングは無料ですよ。
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