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伊藤宏樹

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伊藤宏樹(いとうひろき) / 薬剤師

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コラム

漢方薬「葛根湯」は魔法の薬?

2013年10月17日 公開 / 2023年9月1日更新

テーマ:漢方薬

コラムカテゴリ:医療・病院

コラムキーワード: 漢方薬 効果

いつもコラムをご覧くださりありがとうございます。

石川県白山市の「漢方専門 福の樹薬局」 薬剤師の伊藤です。
最近は、白山市のお客様だけでなく小松・加賀・福井北部からもご来店してくださり有り難く思っております。

さて、台風がなんとか過ぎ去ったと思いきや、急に肌寒さが増しましたね~冷え症の方には「この時期が来たか・・・」なんて思っているかもしれませんね。
そんな時季にかかりやすい病気といえば「風邪」ですよね。そして、風邪の漢方といえば・・・

「葛根湯」が有名です。

 葛根湯という処方は、風邪の時に一度は耳にしたことがある漢方薬かと思います。
効能効果は、「感冒・鼻風邪・頭痛・肩こり・筋肉痛・手や肩の痛み」です。

 実は、葛根湯の効果はそれだけではありません・・・・
「葛根湯医者」というお医者さんをご存知でしょうか?落語に出てくるお医者さんのお話しなんですが、
・頭痛で訪れた患者さんに葛根湯・・・
・腹痛で訪れた患者さんにも葛根湯・・・
・付添いの暇を持て余している人にまで葛根湯・・・
となんでも葛根湯・を処方してしまうお医者さんが登場します。

 一般的には「やぶ医者」の代名詞として「葛根湯医者」という名前を使われることが多いのですが、葛根湯の応用範囲を見てみると実はここに出てくるお医者さん「スゴ腕の医者」だったのかもしれないのです。



 葛根湯の構成生薬は、葛根・麻黄・桂枝(桂皮)・芍薬・大棗・生姜・甘草の7種類からできています。桂枝は頭痛やのぼせに効果がある生薬ですし、芍薬・甘草で胃の痛みや内臓や筋肉の痙攣に効果があります。また、麻黄・生姜でからだを温めて発汗を促し関節痛などの緩和にも用いられます。ついでに、麻黄はエフェドリンという成分を含んでいて咳止めにも用いられるのですが、交感神経を興奮させるので眠気覚ましの役割もあったりします・・・受験生の眠気覚ましにはコーヒーよりも効くかもしれませんよ!
 
風邪にも頭痛にも腹痛にも眠気に耐えている人にも葛根湯・・・知れば知るほど奥の深い処方の一つですね。
(注意:麻黄に含まれるエフェドリンは血圧を上昇させる働きを持ち合わせていますので、高血圧の方は医師・薬剤師の指示に従って服用して下さい)

葛根湯の使い方


葛根湯の使い方のポイントは、「首筋から肩・肩甲骨あたりにコリをかんじたり、だるさをかんじたり、ゾクゾクっとして鼻がムズムズしたりくしゃみが出た時」が服用のタイミングです。

通常は、
急に肩がこるな~パソコンしすぎたかな?とか、
だるいな~疲れがとれないのかな?とか、
花粉症かな?っと思ってあまり気にしないところがタイミングです。

この後、頭が痛いな…咳が出てきたな・・・気持ち悪いな・・・という症状が出てきて「風邪だ!」っと気づきます。この時には「葛根湯」が効く可能性は30%ほど(もっと低いかも)になってしまいます。

漢方薬には、風邪の勢力と患者さんの治癒力に応じて漢方薬を使い分けます。
自分の風邪がどの段階かな?どの漢方薬が効くのかな?というときはお気軽にご相談いただければと思います。
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