くびこり肩こり肩甲骨はがし!はりでゆるめて自宅でストレッチ。びっくりするほど効果抜群!
高齢者に多い腰や足の痛み、しびれなどで思い当たることはありませんか
- お尻から足にかけて痛みやしびれがある
- 痛みやしびれは立っていたり歩いていたりすると起こり、前かがみや座ると楽になる
- からだを後ろにそらすと足の痛みやしびれが強くなる
- 車や自転車なら痛みを気にせず移動できる
- あおむけに寝ると症状がひどくなるので横向けで寝ている
- 排便・排尿に問題がある
- 病院でMRI検査を受けたら腰部脊柱管狭窄症といわれた
- 筋力が衰えた気がする
- 足が冷える
- 年を取ったらすね毛がぬけた!
- 出産経験がある(女性)
- 若いころから姿勢を気にして胸を張って堂々と歩いてきた
- 中年以降、太っておなかが出てきた
この中のいくつかに当てはまると、あなたの足の痛みは腰部脊柱管狭窄症が原因かもしれません。
腰部脊柱管狭窄症ってどんな病気?
脊椎の中に脊髄が通っています。その通り道を脊柱管と言います。腰の脊柱管が狭くなって脊髄を圧迫して起こる病気です。また、脊髄から左右に分かれた神経が背骨の外に出る場所を椎間孔と言います。椎間孔でも神経を圧迫することがあり、それも原因となります。
神経の障害と血流障害が起こることでお尻や足に痛み・シビレを起こすとされていますが、まだハッキリと解明されていないとのことです。
50歳から80歳の男性に多くみられる病気です。高齢者に多い病気ですのでお医者様には「年のせい」と言われがちです。若い人でこの病気を起こす場合は事故やケガが多いといいます。ちなみに頸椎でも脊柱管狭窄症は起こります。
公益社団法人日本整形外科学会
このまま痛みを抱えて過ごすのでしょうか
腰椎に問題があるとされる腰部脊柱管狭窄症の狭窄を解消するには、脊柱管のスペースを広げる外科手術しかありません。しかし手術はしたくないとおっしゃる方が多くいます。
心配なのは「放っておいたらどうなるか」です。腰部脊柱管狭窄症の診療ガイドラインには、「軽症~中等症の10年以上の自然経過で50~60%の方に満足のいく結果が得られた」とあります。手術が必要な重症例はこの調査に含まれていません。
例えば70歳で発症した方が10年たつと80歳。それでも半数以上の方がよい状態にあるということです。年をとればとるほど腰椎の変形やトラブルは増えていくはずですが良くなっているということは痛みやしびれが軽くなり、進行していないということです。ですから年のせいとあきらめてはいけません。
痛みやしびれに悩まされずに生活するにはどうすればよいでしょうか。
鍼灸治療で解決できる腰部脊柱管狭窄症とは
自然経過でよくなるのであれば何かをしてあげることで痛みやしびれで悩む期間を短くできる可能性があります。
まず運動です。筋力をつけて腰を支えられるからだづくりをしましょう。痛くて運動できないという方には鍼灸治療をおススメします。痛みを軽くし筋肉の緊張をとることで動きやすくなります。
腰部脊柱管狭窄症の痛みの原因には
- 狭窄部の炎症
- 血流障害
- 腰やおしりにできたトリガーポイント
が考えられます。
狭窄部に炎症があると、鍼灸だけでは早期の解決には至りません。鎮痛消炎剤の服用やシップなどの使用が必要です。炎症がひどいと動いた時の痛みだけでなく、安静時や就寝中に痛みがあります。「痛みで眠れない」「じくじくやめる」などとおっしゃいます。お薬と鍼灸を併用することで早期の回復が期待できます。
血流障害によって神経に栄養が届きにくくなり痛みを出します。歩いたときに痛みを感じる間歇跛行が強くなります。安静時や夜間痛はあまりありません。この場合には鍼灸治療が適応します。ちなみに炎症が強いと歩くこともままならないようです。杖歩行でやっとやっとという感じです。
痛みが長引くと、痛みをかばって腰やお尻にコリが出来ます。特にお尻にある大殿筋や中殿筋、小殿筋にトリガーポイントと言われるコリが出来ます。このトリガーポイントを圧迫すると痛みが足の方に走ります。患者さんは間歇跛行の際の痛みの場所と同じ場所に痛みを感じます。このコリをとるのが鍼灸治療の得意ワザです。
どの時期においてもうまく鍼灸治療を利用すれば10年先の心配はなくなります。
どんな施術をどのぐらいしたら楽になるか
まず、整形外科などで詳細な検査をしてください。医師に手術を勧められるような重症なら、「鍼灸で」と言っている場合ではありません。鍼灸を受ける際のレッドフラグは①足をつねっても痛みがわからない、②お風呂に足を入れても温度がわからない、③歩くと足に力が入らずにこけそうになる、④尿失禁・便失禁(もれる)、出にくいなどの症状、-膀胱直腸障害と言います-があるときです。
レッドフラグがない場合に症状の改善を目的として鍼灸治療を受けるとよいでしょう。
まず、炎症がある場合。強い痛み、特に安静にしていても痛みがある、夜寝ていて痛くて眠れないという症状がある場合には、病院からもらった消炎鎮痛剤を服用しながら鍼灸治療を行います。
安静時や夜間の強い痛みがない場合が鍼灸治療の一番の適応です。間欠性跛行とは歩き出してしばらくすると足が痛くなって歩けなくなり、立ち止まって休むとまた歩くことができる状態をいいます。そんなお悩みは鍼灸治療で改善できる可能性があります。1か月から3か月鍼灸治療を行い、痛みが軽減しだしたらウオーキングやストレッチをしてもらいながら早期の回復を促します。
それから痛みが片足か両足かでも経過に違いがあります。片足だけの方が早く楽になることが多いです。
痛みの部位でも違いがあります。足の外側が痛い場合と裏側が痛い場合では障害されている神経の場所が違うので楽になるまでの経過が変わってきます。経験上、足の外側が痛い場合のほうが早く良くなる傾向があります。
腰部脊柱管狭窄症と言ってもいろんなバターンがあり、重症度や症状で鍼灸治療でよくなるまでの経過が違います。
鍼灸治療は前述の通り腰やお尻にできたこり、トリガーポイントを解消する治療のほかに、腓骨神経への低周波鍼通電療法を行います。腓骨神経は第5腰神経の枝です。この神経が腰部脊柱管狭窄症で最も多く障害されます。腓骨神経に低周波鍼通電療法を行うと腰部の神経の根もとの血流がよくなることが研究で証明されています。腰部脊柱管狭窄症の原因の一つは血流障害ですから、それを改善させるわけです。
こんな方がよくなりました
〇75歳、女性、無職、右足外側の痛み
当院受診の2か月前から痛み出して整形外科でMRI検査の結果腰部脊柱管狭窄症と診断を受け治療していましたが1か月半たったころ思い当たる原因なく症状がひどくなりました。畑仕事や庭の草むしりをするのがつらく、痛みで歩くことができません。畑から家までの数メートルを歩いては休んでを数回繰り返します。お薬やシップでではなかなかよくならないため当院を受診されました。
安静時痛や夜間痛は強くありません。杖をついて来院されました。杖にすがって腰を前かがみにして車から受付まで歩いてきました。まっすぐ立つ(きをつけ姿勢)と右足の外側特にすねに痛みがでます。
いろいろ検査をしました。状況から腰部脊柱管狭窄症による第5腰神経の障害があると推測しました。仰向けになると痛いというので右を上にして横向けに寝てもらい、腓骨神経への低周波鍼通電療法と臀部のこり取りを行いました。
患者さんには10回施術に来てほしいこと、痛みの強い間は畑仕事や草むしりは中止して日常生活だけしてもらうこと、ストレッチや体操はよくなったらしてもらうことをお話ししました。
経過は当初施術に抵抗して5回まで変化ありませんでしたが、6回目にいらしたときに「夜、気が付いたらあおむけで寝ていた」とお話してくださったあたりからぐんぐんよくなってきて、7回目にいらしたときは杖なしで、その後は普通に歩けるようになりました。自宅でできるストレッチや体操をお話ししました。最終的には散歩ができるようになったと喜んでいました。
低周波鍼通電療法というと、なんだか怖い感じがするかもしれません。15分から20分間、2本のはりの間に電気を流します。いわゆる電気鍼です。痛みはなく足首が電気の刺激でぴくぴく動きます。患者さんは気持ちよくなって寝てしまいます。もし、電気の刺激が痛いようでしたらおっしゃっていただければ施術をやり直します。途中から痛くなったとしてもやり直します。気持ちよく電気の刺激を続けることで腰椎の血流を改善させます。
〇87歳、女性、無職、右腰から臀部・足の外側の痛み
当院受診の6年前からこの神経痛に悩まされて、病院や鍼灸、整体や接骨院などいろんなところに通ったそうです。悪くなるきっかけは右ひざの手術をしてからです。半月板損傷の手術を受けてしばらくしてすねの外側が痛くなりました。手術の後遺症かと思い病院で診てもらいましたがひざの異常はありませんでした。結局腰のMRI検査で腰部脊柱管狭窄症が見つかりました。手術するよう医師に勧められたそうですが、ひざの手術が大変だったことから、ずっと拒否しているそうです。
足を見せてもらったところ、右足の血流が悪いことがわかりました。腰部脊柱管狭窄症に加えて軽いASOがあるようです。ASOは下肢閉塞性動脈硬化症という病気です。動脈硬化で足の血流が悪くなり痛みやしびれをおこします。それも歩くとひどくなるため、腰部脊柱管狭窄症の間歇跛行と紛らわしい病気です。この方は腰部脊柱管狭窄症の間歇跛行もあるので両方のせいで痛みが取れないのでしょう。片方だけ施術していてはよくなりません。それから6年もの病歴があるので数回ではよくならないから頑張って施術しましょうという趣旨のお話をしました。鍼灸治療で腰と足の血流を改善できればよくなると見込みました。
施術を開始して15回目、強い痛みがなくなり鈍痛に代わりました。歩行練習を始めたとのことですがうまく歩けないようでした。
34回目で20メートル歩けるようになりました。痛みはまだあるものの当初の3/10にまで少なくなりました。施術を介してから4か月が経過しました。
その後はずいぶんと痛みが軽減し、日常生活や散歩などが当たり前にできるようになりました。週2回の施術から週1回になり、現在では2週間に1回の施術で安定しています。6年間悩み続けた足の痛みが6カ月(実質4カ月)で良くなりました。「もっと早く来ていればよかった」とおっしゃってました。今後は月1回のメンテナンス施術をすることになりました。
ご本人の頑張りに私も一生懸命対応しました。半ばあきらめて「死んだほうがまし」とまで絶望していた痛みでしたが、今では毎日を平穏に過ごせているそうです。
良くなった例をお示ししましたが、「鍼灸で」と希望されてもお役に立てないことがあります。鍼灸で何かできることがあるならお引き受けしますし、施術経過を見て変化がないようなら途中で続けるかどうかのご相談をする場合もあります。そんな時は医療機関と連携しながら施術いたします。
はり治療と併用して自宅でできるセルフケア
運動の基本はウオーキングです。痛みが少なくなったら始めましょう。ストレッチとこり取りツボ押しでお尻のこりを緩めて痛みを軽くしましょう。お灸をしたい方にはやり方を教えます。自宅でしていただくセルフケアは鍼灸治療と合わせてすることで早期の回復が期待できますが、やる時期を間違えると病状を悪くすることがありますので、施術しながらご説明をしています。
最後に
腰部脊柱管狭窄症の鍼灸治療について説明しました。長生きするようになって認知症とともに腰部脊柱管狭窄症のお悩みは増えています。
鍼灸を試してみてはいかがでしょうか。当院では無料相談をしています。オンライン(zoom)でのご相談希望はメールに「オンライン相談希望」と書いてお送りください。ミーティング時間などの打ち合わせを返信します。
お電話でのご相談は、営業時間中に受け付けております。「マイベストプロを見て、相談したい」と言ってください。施術中の場合は申し訳ありませんが対応できかねますので、別時間を決めてこちらからお電話いたしますのでお電話番号を教えてください。
鍼灸をしたことがない方のお役に立てることを願っています。