中小企業の成長戦略として新規事業を立ち上げ、新たなムーブメントを引き起こす力に（2/3）

自らの積極的な行動変容によって、新規事業やイノベーションは生まれていくことを経験

　「家業は食材卸の事業を営んでおり、商売人気質と何事も他人任せにしない強い責任感は自然に身についていたように思います。学生時代は、クラスを引っ張っていくようなポジションが多かったですね」と振り返る新井さん。

　契機となったのは、2006年大学在学中に参加したJリーグ・ヴィッセル神戸でのインターンシップです。
　「当時、サッカー業界はスポーツとして人気は高かったものの、ビジネスでは未開の分野。業界で経済的に自立できるのは一握りの特別な人だけでした」
そこで新井さんは、学生約100人規模の「ヴィッセル神戸スポーツビジネスカレッジ」を新規事業として提案。プロジェクトの立ち上げと運営に直接関わることになります。

　「2004年にベンチャー企業の一つだった楽天がプロ野球の球団を買収、新規参入したというニュースを目の当たりにして以来、期待感に胸を膨らませていた時期でもあったんです。若い世代や学生が主導して世の中の価値を創造していくことも夢ではないと確信し、実社会での経験値を重ねることに没頭しました」
　
　その後、ビジネスカレッジの卒業生らとNPO法人を立ち上げ、プロジェクトリーダーとしてサッカーやバドミントンのチャリティーイベントを開催。
地元企業の体育館にオリンピック選手を招待して、子どもたちとの交流を図るとともに、使わなくなったボールやスポーツウエアを発展途上国に送るなど、社会貢献の分野でも新しい取り組みを次々と実現させていきました。

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