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車いすで

坂部智子

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テーマ:母の介護

半年ぶりに母を病院に連れて行った。(介護保険の更新もあるので)
確か秋の終わりごろに、インフルエンザの予防接種を受けに行って以来。
その時は父と二人で、抱えたり引っ張ったりして、なんとか車で行ったのだけれど、
今はもう一人でするしかないので、どうしたもんかと思案した結果、
小規模多機能施設から車いすで行く・・・ことにした。
距離はあんまり離れていないし、お天気さえよければ、まあ大丈夫だろう・・・ということで、本日決行。

行きしは、上り坂。
この坂がまあ、思っていた以上に急だった。
後にお尻を突き出す格好で、汗が吹き出し、ヨッコイショよっこいしょと言いながら登る。
母が自分で車いすをこぐことはないけれど、坂道の場合は、車輪が大きいほうが楽なので、
自走用車いすを借りて来たけれど(久しぶりに福祉用具の話っぽい・・・か?)
それでもこの重さは堪える。
(私より母の体重が重くなってしまっているのだ)
年齢差30歳であっても、堪える。
老々介護での車いす送迎は、ホントにどれだけ負担が大きいことかを、オモイシル。

久しぶりの病院で、またまた裏口経由で入れてもらい、馴染の看護師さん達に優しくしてもらって、採血もあっという間にできて、無事終了。

帰りは、下り坂。
車いすに引っ張られないように必死でブレーキを握ると、
相当年季の入ったヤツなので(失礼)、
遠くの人にも振り返られるぐらいにキーキー異音がする。
母もびっくりしてか、なんか表情がこわばっている。
仕方がないので、車いすが進むに任せた。
ぐんぐんスピードが上がって小走りになる。(こらこらッ、良い子はマネをしないように!)
大丈夫かと、母を見ると、キャッキャとうれしそうに笑っている。
スピード早いのは大苦手で、ジェットコースターなんかには、
「どんなことがあっても、絶対乗りたくない!」といつも言っていたのに。

ずんずん坂道を下った。(周りに人がいないことを確認して)
爽やかな風が、母と私を擦りぬけて行く。
母の笑い声と一緒に、私のココロも、なんかほんのちょっと、
軽くなった。

病院でなくて、今度はどっかもうちょっといいところに行こっか。
車いすで、一緒にね。
(要、腰痛対策!)

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