沁みついて
髪を切りに行った。
友人がやっている美容院。
元々あまりファッションに気が向く方ではないので、
いつも友人がどんな格好をしているか、覚えていないのだけれど(失礼)
赤いバレーシューズが、目に止まった。
「へぇ・・・赤い靴やん」と思わず言った。
「そうやねん、こんな靴しかもう履かれへんねん・・・」と、とても悲しそうに言う。
きけば、いつもはさすがに業界柄(?)、ほぼ黒づくめのファッションで、
靴もヒールのか、あるいはごっついハードなタイプのしか履いたことはなかったらしい。
それが、膝が痛くて、どうにも立っていられなくなったそう。
診断は、「変形性膝関節症」
「普通のヒトより15年は早くなっている」と言われたらしい。
私は仕事で日常的に、山ほどこの病名の人と出会っているけれど、
確かに、介護保険対象の方々なので、おおむね65歳以上。
40代前半の彼女は、長年の立ち仕事と、その他のいろいろな要因から
一般的な年齢より、早くに発症しているよう。
ペタンこの靴しか履いたらあかん。(今までが上述の足腰に悪そうな靴ばかり)
体重を減らす。(けっこうがっしり、どっしり体重がある・・・)
足腰を鍛える。(立ち仕事以外では、歩くこともあまりない)
今から、意識して膝への負担を減らしていかな、
年取ったら、ホンマに歩かれへんようになる!!!・・・と、相当、言われたらしいのだ。
(抵抗あるペタンこ靴に、あえて「赤」をもってきたのが彼女らしい)
そうか、まだまだ先と思っていても、老化は確実に始まっていて、
しかも現在の高齢者よりも、ずっとずっとからだに良くない生活をしているのが
私たちの世代。
介護保険もどんどん改悪(あえてそういう!)の方向へ話が進んでおり、
要支援者が切り捨てられたり、自己負担額が2割になるとか、
現実に困難が目に見えているのに、さらにその先は・・・・
現実問題については、続きで。
(訪問先でも、みなさん、最重要関心ごとデス)