沁みついて
父はベッドで輸血中。
心臓の検査は、いちおう大丈夫だったらしく、月曜日が手術の予定。
血液検査で、血が薄いんだか、足りないんだかで、前もって輸血を受けている。
今日の夕方、手術の説明を聞く。
父は、麻酔科の先生から、先にいろいろ話をきいたらしく、
手術後は家族がびっくりするぐらい、様子が変わるやて・・・と言っていた。
まあ、たくさんのチューブにつながれて、意識が混濁したりするらしい。
人間が変わったようになる・・・とか、言っていた。
そりゃそうだ。
今朝も早よから、病院まわりを3周歩いてきた・・・とメールをしてきた父が、
今、こうして輸血を受けていることだけでも、違和感満杯。
手術に向けて、着々と準備が進んで行く中で、
それでもまだ、現実味がないというか、どっか遠いところからこの光景を見ているような
そんな感じ。
私は、一人暮らしに慣れた。
というより、すっかりなじんでいる。
悪いけれど、今は母のことは忘れている。(まあ、丸投げで任せている。)
一人で暮らすには広すぎる空間なので、無駄にすることがいろいろあって、
けっこう忙しい。
昨日は、雨なのに洗濯したので、除湿機をかけたまま出かけるのが気がかりだったのと、
モニタリング訪問を入れていないので(手術が無事に終わるまでは予定がたたずで)
一日こもって、冷蔵庫の大掃除をした。
わけのわからんモンが山ほどあった。
結局、全部出して分別して、全ての棚を外して洗うことからやりだしてしまった。
その後、流しを磨いていたら、流し台も前のタイルも、
つながっているところ全部磨かないと気が済まないようになって、
気が付いたら、夜になっていた。
こんなこと書くと、またえらく叱られてしまうが、
朝から何も食べずに、何かにとりつかれたように、ひたすら作業をしていた。
(夜は3人前ぐらい食べたので、ご安心を)
いろいろ気になってふさいでいるのか、あるいは、すごすぎるマイペースなのか
自分でもよくわからない。
けど、やっぱりちょっとバランスがおかしいな。
なんだか、カラダもココロもおさまる場所が見あたらない・・・というような。
はぁ~
ふと我に返ると、そう、ここは父の病室でした。
明るくのんきで、好き勝手に毒づく娘の役割を求められている。
大丈夫。
まかしといて。
父の前で弱るほどには、まだなっていない。