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危険と隣り合わせでも

坂部智子

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テーマ:エピソード集

本日訪問のAさん(87歳女性、要支援1、一人暮らし)
室内用の歩行器をレンタル中。
ご自分一人で室内をゆっくり歩くことはできるのだけれど、
両手でモノを持つと腰を伸ばさないと歩けず、
腰を伸ばすと息を止めてしまう・・・らしい。

お仏壇のお供えや、お花の水替え、洗濯物を持っての移動など、
一人暮らしで、ある程度の家事をこなしてはるので、
日常的には、まず手ぶらで歩くことはない。
そのたび、息を止めて歩くのでは、呼吸困難でエライコトになる・・・
ということで、レンタルの室内用歩行器は、「とても重宝している」とおっしゃる。

ただ、歩行器を押して、階段昇降はできない。
なので、階段では上がるときも降りる時も、階段に手をついて、
2階を見上げる姿勢で、一段ずつモノを上げ下ろししながらだという。

先日、最後の3段ぐらいまで来たときに、
足が一段踏み越えて、いっぺんに二段降りてしまい、
後ろ向きのまま階段の下にずり落ちたという。
運よく、届いた段ボール箱が置いたままだったその上に
ドスンと尻もちをついたので、ケガもなかったとのこと。
「後ろには目が無いからね~」と笑いはる。いやいや、笑いごとではない。
たまたま段ボールが置いてあり、階段の下の方だったことなど
ラッキーが重なって、無事故だっただけ。

その後も、そうそう・・・と、武勇伝がけっこう出てくる。
神棚のお供えは、踏み台に上がってやっているとのこと。
踏み台だけでは危ないから・・・と、近所の大工さんに手すりを取り付けてもらったが、
大工さんは、今までこんな高いところにつけたことない・・・と困惑していたらしい。
たしかに、ナンデこんなところに?(神棚のすぐ下)という位置に手すりがついている・・・

Aさんは、「こうすれば、まだなんとか一人で出来る」という、工夫と意欲にあふれている。
しかし、危険とはいつも隣り合わせ・・・

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