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目が離せない

坂部智子

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テーマ:仕事のはなし

先日訪問のAさん(92歳、女性、要介護2)
背中が丸くなっており、さらに背骨がかなり左に歪んでいるため
立ち上がり、歩行の際にバランスを崩し転倒することが多いという。
あまりに度々転倒して頭を打つので、病院でもCTの間隔が近すぎて撮れないと
言われているそう。
最近は認知症もすすんできており、すぐに立ち上がって動こうとするので
二人暮らしの娘さんは、ほとんど目が離せないとおっしゃる。

うちの母も、ちょうど1年ぐらい前がそういう状態だった。
母は運動機能的にはどこも悪くないので、転倒のリスクは少なかったが、
何があってもずんずん歩くので、つまずいたり、ぶつかったりで、危険はいっぱい。
一人では床からの立ち上がりができないので、座椅子に座らせることを思いついた。
それで、目を離した隙に一人で動き回ることは無くなった。
しかし、座ったまま座椅子から抜け出すために、お尻でいざり、その結果、
仙骨部に床ずれができてしまった。
なのでその後は、座椅子を後ろに倒して、ふんぞり返って座るようにし、
左右にクッションを置いて、横に倒れるのを防いでいる。
そこに座っている間しばらくは、父が洗濯に上がったり、
なんやかんや、母のそばから離れてするコトが安心してできる・・・となっている。

Aさんの娘さんにその話をした。
Aさんは、手をひっぱっても床から立たせることが難しい・・・とのこと。
レンタルできる福祉用具に、「昇降座椅子」というのがある。
立ち上がり補助のための“リフト”である。
Aさんの場合は、上述の母のように、座椅子から出てこないようにする必要もあるので、
リクライニング機能があるほうがよい。
ただ、嵩がたかいので、けっこう置き場所をとるのが難点といえば難点だけど・・・

娘さんはAさんに、日に何十回も「動かないで」、「じっとしてて」、「危ないから」と
言っているそう。
言うだけでも相当のストレスになるし、さらに転倒やけがまで心配しないといけないのだ。
目が離せないコトを、立ち上がり補助の昇降座椅子を使うコトで、
少しは緩和できるかもしれない。

また、報告します。

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