一緒やったら
先日訪問したAさん(87歳女性、要支援2、独居)
股関節の手術後、屋外は杖歩行。
マンションの廊下が長くてまっすぐなので、一人で歩く練習をしているとのこと。
手すりがついているが、あえて持たずに、杖だけで歩くのだという。
「外を歩くときに、手すりがあることはめったにないから、
手すりを頼ったらあかん思って・・・」
Aさんのようにおっしゃる方は多い。
それももちろん一理ある。
けれど、せっかく手すりがついてある、まっすぐで長い、
歩く練習をするのにうってつけの場所があるのだ。
もう片方で手すりも持って、ゆっくりでいいから、
きれいに歩く練習をしてみたら・・・・とAさんに伝えた。
1本杖で歩くと、体のバランスがどうしても片側に崩れる。
手すりと杖、両側で支えることで、バランスの中心が整う。
すり足で歩いていたのが、少しかかとを持ち上げて歩けるかもしれない。
外を歩くときに、手すりがあることはめったにない・・・ので、
実践的ではないかもしれないが、
手すりを頼っても、きれに歩くというコトを意識すると、
知らないうちに曲がっていた背中に気づいたり、
足元ばっかり見て、全然前を見ていなかったことがわかったり、
普段の自分の歩き方との違いを自覚することができる。
意識して直せるところは、直していけばいいし、
むつかしいところは、難しいとわかればいい。
「廊下を歩く練習するのが、楽しくなる~」と、Aさんは笑ってはった。
それが、なにより。