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母の日のひとコマ

坂部智子

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テーマ:日々ねた

昨日は、母の日。
兄たちが来てた。
この前、兄と会ったのは、たしか2月頃だから・・・・
母が兄と会うのは3か月ぶりぐらい。
もちろん、母は、誰かなんてわかっていない。
相変わらず、どう接していいかわからない兄も、なんか所在なさげ・・・
(2月より、悪くなっているので、さらに、オタオタ気味・・・)

昼ごはんの時、
いつものように、母が最初の数分は、器の中のを自分でお箸でいじくりまわす。
うまく口に運ばれるのもあれば、あちこちこぼれたり、飛んで行ったり(?)・・・
そうこうするうちに器の中がいろいろ混ざって、
見た目はかなりぐちゃぐちゃになる。

私も父も、フツーに、それ(見た目ぐちゃぐちゃ)を母の口へ運ぶ。
(あれとこれは、味が混ざってほしくない・・・というようなものは、
始めから分けてあるので、問題は見た目だけデス。いちおう)

見ていた兄が、ぽそっと、「そんなにまでして食べ(させ)なあかんの・・・」と言った。
もちろんそんなこともないけど、
残したらもったいないし、代わりに食べる・・・よりは、
できれば、やっぱりこのぐちゃぐちゃは、本人(母)に食べてもらった方がいいのでは・・・
という見解で、いつもは母の口へ運んでいる。

思わず兄に、「ううん。そんなら お兄ちゃん食べてくれる?」と言ってみた。
(別に、いじわるでもなんでもないけど、なんかつい口が・・・)
兄は笑って、「ええで」と言って、食べた。
「なんで、よりによって、俺のきらいな“蕗”と“三度豆”やねん・・・・」と
食べながらブツブツ・・・は言ってたけど・・・

母に、「お兄ちゃん、食べてくれてよかったね~」と言うと
「お兄ちゃん」「そう」「うん、うん」と何度も何度も言った。

ほんの ひとコマ。
けれど、こんなのがきっと、いつまでも心に残るんやろうな・・・

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