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読んだ本その5

坂部智子

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テーマ:読んだ本

“大切なものは目に見えない”・・・「星の王子様」に出てくる言葉。
ふいに不安が押し寄せてきたり、小さなことで心がぐらついたときに
この言葉を口にする。
そのあとに続くのは、無言のうちの「(だから ちゃんと見えるように)、心、強くなれ」
・・・そう思って、思うことで、自分の中のよりどころに再び力を与えようとする。

しかし、それでも無理な時もある。
手にするのは、一冊の本。
「アルケミスト 夢を旅した少年」(パウロ・コエーリョ著)
人生の大切なことが全て(といっても、本当はただ一つのコト)書かれてある。

1998年のクリスマスに、もらった本。
いつも本の後ろに、読んだ日付を書き込むので、見てみると、
2000年1月20日・・・2004年2月8日・・・2008年4月3日とある。

あ~ あの時期に読んだのか・・・と、納得するような時に、
きっちりひっぱり出して読んでいる。
本当は、もっと、たびたび読んでもいいぐらい、いや、読むべきなのだけど、
「まだ大丈夫」「もうちょっとしたら抜けられる」「またがんばれる」というような、
理由(強がり)を掲げて、なぜだか手にするのを押しとどめてしまう。

昨日、その日付を書き足した。
2時間集中したら読めるとわかっているので、一気に読んだ。
何度も読んでいるので、知っていることが書いてある。
けれど、わかってはいないこと、実感として身に染みていないこと、
また、そこに捕まって動けなくなっているのだ・・・ということなどが、
押し寄せる。

「傷つくのを恐れることは、実際に傷つくよりもつらいものだ・・・」

要するに、読めば、今の自分を突きつけられる。
だから、手にするのがはばかられる。
けれど、読み進めるうちに、不思議に心が落ち着く。
そう、それでいい・・・だた、それだけでいい・・・
というシンプルなメッセージが、「わかる」「わからない」を超えたところで
乾いた心に沁みこむ。
そんな本です。
(内容の案内には、なってないですが・・・)

今回は、一つ大きな発見があった。
あぁ こういうことやったんや・・・と、”そのこと”を実感している自分がいた。
ずっと私も、探していた宝物。
ようやく、やっと、私もそこにたどり着いた・・・

でも、それなのになぜ、
主人公たちのように、純粋に歩むことができないんだろうか・・・

ホントに自分を情けなく思いながら、それでも、
だからこそ、強くなりたいと思うし、
この、足元から続く先の人生を、夢見ていいんやと、
「夢」を追い求めていいんやと、
また信じられる。

本を置いたら、ちょっと、背中が伸びていた。

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