聞き入れる魔法
本日訪問のAさん(97歳、男性、要介護4)は、一人暮らし。
週2回デイサービスに行き、一日2回 訪問介護が入っている。
一人で歩くことはできないので、移動は、お尻でいざって。
「いざる」ためには、ベッドより布団のほうが動きよいため、
ベッドの利用はせずに、布団での生活。
布団を敷くのは、夕方のヘルパーさんがしてくれるが、
朝は Aさんが自分で畳み、押入れにきちんと入れている・・・という。
いったいどうやって・・・?ときくと、座ったままの状態で、たたんで、重ねていき、
押入れの一番下段に、そのまま ズズッと いざりながら押し込むのだそう。
「できることは、自分でやる(やりたい)」とおっしゃる人は、多い。
この「できること」というのは、
身体機能的に「これぐらいはできるだろう」というレベルとは、ほとんど関係がなく、
あくまで、その人 個人にとっての「できること」なのだ・・・と
これまで出会った たくさんの人から教わった。
さらに、どれだけの負担を伴うか・・・ということも、個人の許容範囲のレベル。
押さえた机も一緒に、指先から肩までブルブル震え、すごい形相で真っ赤になりながら
なんとか椅子に腰かける・・・のも、「できること」として Aさんは、やってはる。
そうやって、今も一人で暮らしてはる。
そうやって、生きてきた ということだろう。
「自分でできることは、自分でする」
私は、どんな顔して、何を想って、そう口にするようになるのだろう・・・