外での顔
父が、本腰入れて(腹くくって)母の介護に全面参加を表明して、1週間ほどたつ。
ふと気づくと、母が「おとうさん」と口にすることが増えている。
父に、自分のコトをいちいち「おとうさん」と言え・・・といってある。
「さあ、着替えるよ~ “おとうさん”といっしょにするよ~」というふうに。
慣れていないので、ハタから見ていると、こんなこと(すら)も
こっ恥ずかしい・・・というのが、わかる。
しかし、どうにかこうにか、けっこう素直に 父は取り組んでいる。
そうしたら、母が、たったの1週間で、「おとうさん」とよく口にするようになったのだ。
私の名前は、いくら私がうるさく名乗っても、めったに呼ぶことはないけど、
やっぱり、「おとうさん」というこの言葉は、母の中に、浸み込んであったのか・・・な。
呼ばれている父も、うれしそう。
本当にわかっているのかは、もう何も確かめようはない。
それでも、父が
「さあ~トイレいこか~ おとうさんと行くよ~」と声をかけて、
母が、「おとうさん」「おとうさん」と言って、手をとられて歩く姿は
なんとも素敵な光景。
父のやる気が、またこれで、ちょっと盛り上がりそう。
方法、技術を身に着けて磨くより、何よりも大切なことは、
この「ココロのつながり」だということ。
これだけは、絶対の真理だと信じている。