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なぜ人間になれたのか その4

坂部智子

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テーマ:感想(TV、本、他)

日曜日のNHKスペシャル「ヒューマンなぜ人間になれたのか」
第4回は、「そしてお金が生まれた」
お金が人をどう変えたのか・・・

「その日暮らし」だった時代は、「分かちあう」ことが基本。
お金が一切なくても暮らせる、なんでも平等で、横並びの社会だ。
そんな中では、他人に抜きん出て成功する人は出てこない という。

紀元前4000年
世界最古の都市の遺跡からは、お金が出土している。
元々は、麦や米、塩、羊などがお金の代わりだった。
欲しいモノを交換するための仕組み。

この、「交換」ということができるのは、人間だけだという。
信頼なくしては、「交換」はない。

しかし、麦や羊などは、腐るため、そこから、永遠の価値がある「貨幣」が生まれた。
永遠の価値 = 安定した未来が実現するという希望
「その日暮らし」から、生活の長期的な設計という観点への切り替えが起こった。

お金がなかったとき、
平等に分かち合うというのは、ある意味守られた暮らし。
お互いがお互いを守るために働いていた。

お金が登場してからは、個人の責任。
ある意味、集団からの孤立、しかし、開放でもある。
個人の才覚で生きる時代の幕開け・・・となったのだ。
果てしない繁栄をもたらすのか・・・・

横並びのままだと発展しない。
競争すれば、格差が生まれる。
人は、格差が生まれても、競争することを望んでその歴史を積み重ねてきたのか・・・

興味深い報告があった。
実験で、腹側線条体=快楽を求める中枢が、目の前の人との格差が開いていくときよりも、
差が無くなっていくときに活発になったという。

脳は、差が無くなることを喜ぶのだ。

「目の前の相手と」という、条件がつくようではあるが、
遥か遠い人類の歴史の中で培われた、「分かち合う心」というのは、
脳にしっかりと、根付いているのだ。

エンディングに、
今の時代、このままでは、未来にツケが回る。
しかし、人は世の中を変えてきた生き物・・・・と流れた。


お金が人間を、人間にした・・・と言える。
今の世の中からお金が無くなることは、決してないだろう。
番組を見ながらずっと、「私は何が欲しいんやろ・・・?」と考えていた。
(目の前の人と、分かち合うことを喜べる
そんな仕組みがちゃんと、おそらく、この脳にもあることに、ちょっと安心しながら)

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