一緒やったら
Aさん(要支援2、88歳男性)は、杖歩行では長い距離が歩けないので
通院や買い物には今も自転車に乗っている。
たまに自転車ですれ違うAさんは、帽子をかぶり颯爽として元気ハツラツである。
しかし、店の表に自転車を止め、まさに降りようとしているAさんを目撃した。
さっきまでの颯爽からは想像つかないぐらいに、危なっかしい。
片足を抜くのに、押さえた自転車のハンドルがガタガタゆれている。
・・・・・これは危ない・・・・
少しのことでバランスを崩して自転車ごとひっくり返りかねない。
かろうじて、降りて、スタンドを立てて、よたよたとお店に入っていった・・・
表でさりげなく待っていた。
出てきはったAさんと、あらあら ま~ こんなとこで・・・としゃべりつつ、
自転車に乗るAさんをそばで見守った。
・・・・乗るのは、スムーズ・・・
というより、いきなり「ほなまた~」と、走りもって足をまたがせて去って行った。
(横乗りというのか、私は昔からコレができない・・・)
・・・自転車には乗れる、こげる・・・問題は降りる時か・・・
以前よりケアマネからも電動カートをすすめられているそうだが、
置き場所、充電、レンタル自己負担額など、
Aさんにとっては ハードルが高いのだという。
「歩けないけど、自転車に乗れる」という人は、結構多い・・・
一瞬、すごい矛盾に思うけれど、Aさんしかり・・・なのである。
移動手段として、何より重宝な自転車。
自転車を使うことによって、一人でできること(自立)は多い。
「自転車」の代わりとして、「介護保険上のサービスで利用できること」とは隔たりがとても大きい。
(電動車いすをレンタルする、外出(通院)介助してもらう、買い物自体を代わりにやってもらう・・・などなど)
なので、とりあえず出来る間は・・・と自転車に乗り続け、
ある日、転倒して・・・骨折 → 入院 → ・・・
「止め時」というのは、自動車の運転免許返納と似て
どれだけまわりがヤイヤイ言っても、本人が納得しないとどうにもならない・・・ということか・・・
Aさんの外出・・・
自転車を降りなくてよかったらいいのに・・・・
(駐車が苦手な自分の運転のことも思いつつ・・・)