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2.3日しのぐ

坂部智子

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テーマ:仕事のはなし

本日訪問したAさん(88歳 女性 要介護1 木造2階建に独居)
玄関でベルを鳴らしても返事はなし。
目の前からお家に電話をすると、「はいはい」と出てこられた。
「今、お玄関に来てるんですが~」と言うと、笑ってすぐに開けて下さった。

すべての雨戸がきっちりと締められ、お家の中は薄暗い。
台風に備えて、おとついからしっかりいろいろ準備をしているとおっしゃる。
その備えのあれこれを教えていただいた。

・雨戸を閉める。

・表に出ない(ので、ベルを押しても出ず)→用があったらなんか言うてくるやろうとのこと。

・あるだけの懐中電灯を、要所ごとに置く。
もちろん、点くか確認済み。要所とは、トイレ、洗面所、食卓、寝床である。
(非常用の太いろうそくは、出してみたけど、火事が怖いのでやめたらしい)

・食糧の準備
 ふだんは、シルバーカーを押して近所のスーパーへ、ほぼ毎日生鮮食品を買いに行っている。
 が、雨風で出かけられず。
しかも月曜日は訪問介護の日だから頼もうと思っていたら
祝日だったので火曜日に延期 → 子供の学校が休みで火曜日も結局お休み
という、本来ならありえない(けれど現実はまかり通っている)対応のため、
家じゅうの食糧をかき集め、3日もたすことを考えてメニューを工夫しているとのこと。

具体的には、乾物類(そうめん、干しうどん)と、缶詰(ツナ、サンマの蒲焼)、
レトルト(カレー、中華丼)、ごはん3合分をラップして冷凍済み
冷凍の野菜(長ネギ、いんげん)、カップ焼きそば、カップうどん
ゆで卵3個(訪問したときに、ちょうどあるだけゆがいてはった。)

万一の停電に備え、冷凍モノからまず食べ始めたとのこと。
今日のお昼で、台風も通り過ぎることがわかったけど、風が強い間は
危ないのでシルバーカーで出かけるのは止めておくとおっしゃる。

この余裕の冷静な用意周到ぶりは、見習うとこ大有り。
日頃から、「なんかあった時のために2.3日しのぐ準備はしている」という。

けれどもし、停電が続いたり、台風がまた足止めになって長期化したら
しのぐ限度を超える。
Aさん自身に何かの不調が起こった時には、何を使うこともできない。
気丈なAさんは、「その時はしゃあない」「なるようになる」と笑う。
(もちろん、緊急連絡先などもきっちりしてあるが)

・・・笑えない・・・

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